中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

医療不信を考える(10) 怒る医者がいる

 最近のことであるが、私の友人が町医者の胃カメラ検査で
 胃がんだと言われた。その上に「未分化がん」だと告げられた。
 胃がん胃カメラ検査で見つかることは少なくないので、驚きは
 しないが「未分化がん」だと告げられては、やはり心配になる。
 「未分化」とは、細胞がまだ若く、今後どんどん発展していく可能性を
 持っているために恐れられる。未分化がんの場合は、発見された
 ときには、すでに他の臓器に転移している場合が少なくないからである。
  この連絡を受けて心配になってきた。
 開業医から大学病院への紹介を受けて、大学病院でも胃カメラ検査を
 行っており、その結果が聞ける日だというので、12月に医師の説明を
 受ける場に、私も同席させてもらった。
 ところが、「胃カメラで摘出できる程度のものでした」ということだったので、
 私は、その医師に尋ねた。
 「T先生からは未分化がんだと伺っていたので、私の知り合いの病理医に
 病理のセカンドオピニオンをお願いしようと思っていたのですが、こちらで
 プレパラートの貸し出しをお願いできるでしょうか」と。
 医師は「そうですね。未分化がんだと思うと、そういう思いもあるでしょうね。
 でも、T先生のプレパラートは本院にはおいてないのです。たぶんT先生が
 管理されているの思われるので、問い合わせてみてください」ということだった。
  友人には、T 先生にお願いして、この住所(私の知り合いの、著名な
 病理医の)に、プレパラートをお送りいただけるでしょうか?と、お願い
 してみたら・・と、助言しました。
 なぜならは、病理診断において「がん」だという最終判断がなされるのですが、
 病理診断には長い経験が必要で、とても難しいものだけに、しばしば誤診
 だっておこる。
 医学の分野ではかなり有名でもあるある大学病院で胃がんと診断され、
 高齢ゆえに抗がん剤治療しか方法がないと言われた患者がいた。
 その患者の姪の方から依頼されて、この大学病院からプレパラートを
 送っていただいたことがある。
 その翌日に、直ぐに連絡があり、これは胃がんの細胞ではなく、食道がん
 細胞なので、治療方針が異なってくる。だから、私から直接に大学病院に
 連絡を取って、食道検査と細胞検査をお願いしておきましょう」ということだった。
 そのようなこれまでの経緯もある。
 だから、友人はT医師に、しかも言葉丁寧にお願いしてみたところ、突然
 「私の診断が間違っているというのか」!!と怒鳴り始めたというのだから、
 始末に負えない。
 彼女は怯えてしまっている。
 幸いにも、知人の 病理の先生は、大学病院に電話して、教授に話を
 してくださったそうで、次の受診する機会に内科医を通して私を呼んで
 くださったら、詳しい説明をしましょうと言ってくださっているので、ぜひ
 そうしてください」と、ご連絡をいただいた。
  この話の中には3人の医師が登場したが、いきなり怒鳴ったT医師の
 浅はかさは、医師という立場の人間としては最低だとしか言えない。
 付け足しておくが、病理医の先生は今年春に退官するかただが、
 多くのがん患者の面倒を見てこられた方なのだ。
 プレパラートを送ると、間髪をいれずに直ぐに診てくださる。しかも、完全
 にボランティア行為であって、一銭も金はとらないのです。
 退官されたら、困るな~。