この連載は是非(1)からお読みくださるようにお願いいたします。
(8)の中で患者に怒る医者がいると書きました。そんなこと、嘘だろう
と思っていたのですが、結構いるみたいで笑ってしまうほどです。
近藤誠先生がお書きになった本のどれかは忘れてしまいましたが、
先生のところに来た患者さんの話ですが、がん細胞の塊が乳房を突き
破って出てきていたので、どうしてこうなるまで放っておいたのですか?
と尋ねたそうです。
その患者が言うのには、ある大病院で乳房の全摘手術の日まで決めて
いたそうですが、全摘手術が怖くなり、医師に「手術を少し見合わせたい」
と申し出たそうです。
すると医師は突然に居丈高になり「もうあなたの顔なんか見たくもない」
と怒鳴ったという。それで患者は、なおさら手術が怖くなり、医師が怖くなり、
どうせなくなる命なら・・と、放って置いていたということだったそうです。
この患者の場合は転移しないタイプのがんであったために、その後に
摘出手術と放射線治療で治ったということですが、世の中には、何かを
勘違いしている医師がいるようなのです。
だから、近藤先生が書かれていた話のような体験をされた方が、他にも
大勢おられるということです。
こういうタイプの医師に対して、病院内で仲間が注意をするかと言えば、
それはないようです。
医師同士の結束が固いというよりは、ここにも教師にありがちな「見て見ぬふり」
をする人が多いと思う方が妥当でしょう。