神戸市は「医療産業都市」としてポートアイランドに多くの医療拠点
を作っている。
そのことには異論はない。
しかし、昨年11月に大きな期待を背負って開業した「神戸国際フロンティア
メディカルセンター」は、開院直後から肝臓移植手術を受けた9名の内
5名が亡くなったということもあり、ついに開業1年後の今月で文字通りの
閉鎖に追い込まれる結果となった。
この病院の場合は建設を計画し、これからと言う時期にリーマンショックの
影響を受けて資金が集まらず、かなりの無理をして開院にこぎつけたという
いきさつがある。
この病院を計画し、開院時の院長であったのは田中紘一氏(京大名誉教授)
だが、田中先生の場合は、神戸の行政にとっても、医療関係者にとっても
ないがしろにできない恩人であり著名人であったので、開院に向けての支援を
して何とか開院に持ち込むことができた。
神戸市はかつて「ファッション産業都市」を掲げて大成功した実績がある。
ワールド、オールスタイル、ジャバ・・・やがて日本中に知られる錚々たる
メーカーが数多く育って行った。
ファッションがそれを凌ぐ実績を持つまでに育った。
しかし、神戸のポートアイランドの場合、多くの医療現場と医療産業企業が
混在している。
市民にとって「医療産業企業」とはほとんど縁がない。
縁があるのは病院などの医療現場だけである。
だから、患者サイドからは「医療産業都市」と言うのは落ち着かない
言葉である。
もっと別な呼称があってもいいのではないかと思っている。
市民から新たな呼称を募集してみたらどうだろうか?