最近、医者が「死の問題」に関わりすぎているのではないか。
医者は死と深い関係があることは大いに認めるところだが、
医者に死の授業をしてほしいとは思わないし、医者は人の
死に方に深くかかわりすぎるのはいかがなものかと思う。
人にはそれぞれに考えがあり、死を間際にしても自分の死を
冷静に見つめている人も少なくない。
医者から、死とはかくあるべきだなどという指南は受けたくない
人が多いだろうと思う。
なにしろ、医者の多くはまだまだ若くて、私の目から見れば
「子供」のようなものだ。年齢が子供の様な、と言っているのではなく、
60歳までの医者に何がわかるのかという意味である。
医者だから、病気のことは何でも知っていると思い込んではいないか。
高齢者の本当の悩みなんかわかるはずがないことに、多くの医者は
気づきもしていない。
がんで余命が少なくなった患者の本当の気持ちが理解できるはずもない。
患者が医師に向かって発する言葉は本音ではないということにも気づかない
でいる医師もいる。
医師は、もっと謙虚に患者と向き合うべきではないだろうか。
患者に死の在り方を教授する、導くなどはおせっかいにもほどがある。
子供を人質に取っているかのような感覚でいる教師と、患者を上から
目線で見ている医者は悲しい存在だとおもう。
医者が患者の選択した医療を、ああでもないこうでもないと、勝手に論議
されるのは、患者にとってはどれほど辛いことか分っているのだろうか。
医師たちよ、目を覚ませ! 自分の目の前の患者のことをもっと真剣に
考えろ!