中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

芥川賞感想(2)『火花』

 同時受賞の羽田圭介氏の『火花』は、作者がお笑いの人だと
いうことで、盛り上がった。窮状にある出版界においてはこの
作品が何百万部も売れたことに喜んでいるだろう。
 『花火』は、芥川賞としては長い作品だ。切れ味があると評する
人もおるが、私は冗長的だと感じた。
 何百万部も売れたこの作品をどのように読んだのだろうかと
言うことが気にかかる。
 お笑い人が、日々「お笑い」のために四苦八苦している姿が
表現されていて、なるほど・・と思うが、この作品はそんなこと
よりも、マイノリティーとマジョリティーを深く考えるきっかけを
与えるものだということに気付いて読み進めるかどうかかが
カギかもしれない。
 この作品を読んでから、NHKが企画した「笑いけずり」という
番組を5週見た。お笑いのまだ売れていない8組を富士山ろくの
宿場に集めて、毎週1組ずつけずって(減らして)いき最終的に
残った3組を、9月27日(金)に生出演の上、視聴者からの投票で
1番を決めるという番組だった。優勝したのはザ・パーフェクト
だった。
 この番組を通じて、お笑いがどんなに難しいか、笑いを取るために
彼ら、彼女らがどれだけ苦労しているのかを知った。
 その上で、敢えて書けば、才能のない人が無駄な挑戦を試みて
いる感がする人たちもいた。たぶん、こんな人が多いのだろうか。
 私は、お笑いが大好きだ。漫才はすべて見ているが、質の低下
にもがっかりしている。
 落語の場合は、まだ質が保たれているように思えるが、聴き手の
質が落ちている。
 お笑いの世界は、なかなか難しいようだ。