中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

議会より条約が強いわけは?

 じっくり読んで考えてくださった方がたへ。
 私の書き方が悪くて、分らなかったかもしれないので書き足します。
 EPAやTPPなどの経済関連条約の場合には、ラチェット条項という
 ものが入ります。
 ラチェット(RATCHET)は、「つめ車」と訳されますが、逆回転を防止
 する構造の装置のことです。
 ですから、ラチェット条項のある場合は、自由化や開放などの、ゆるい
 方向への法改正はOKだが、規制を強化する法改正は駄目だという
 ものです。
 一つの例を書きましょう。そういうことがあったことは皆さんもよく覚えて
 いるでしょうが、「取り消した」ことは知らないままの人もいるでしょうから・・。
  アメリカで6年ぶりにBSE感染牛が見つかったというニュースがあった
 時のこと、韓国政府はアメリカからの牛肉輸入を停止すると発表しました。
 しかし、僅か6時間後には、それを取り消しています。
 アメリカと韓国はEPAを結んでいますから、ラチェット条項があるからで、
 厳しくすることができない条項に抵触するからです。
  一時は盛り上がったTPP論争は、なぜか鳴りを潜めています。
 TPPで大きな問題なのは、やはりラチェット条項です。
 不公平なのは、アメリカ国内ではラチェット条項が適用しないように
 していることなのです。
  TPPはグローバル経済の代表的なものですが、グローバル経済とは
 大国が力の弱い国の市場に殴り込むこと。大国が弱い国の壁をこじ開けて
 侵入することなのです。
 ラチェット条項は、国会の議決をも上回る強い力があるのです。
 こうして、だんだん民主主義をなし崩しにして、経済最優先という浅はかな
 国家になっていきます。
 ブッシュ大統領(2世)のころ、JAニュース新聞で、新自由主義の恐ろしさ
 を書いてきましたが、TPPなどはついにここまで・・・というものだということ
 だけを書き残しておきましょう。