これも奥の深い話を短くかく。
ローマ最大の英雄と言っても古代ローマの話である。
ユリウス・カエサルを知っていますか?英語読みにすれば
ジュリアス・シーザーのことである。
この名を知らないという人は、よほど世界史に疎いのだと思う。
紀元前100年~44年に活躍した、知る人ぞ知る独裁者でもある。
だから聖書にまで登場する。
先日、NHKでカエサルの話をやっていたので興味深くみた。
なんと彼は莫大な借金を持っていたというのである。
現在の日本円に換算すれば800億円もの借金を作っていたらしい。
彼はその借金を有効に使って、ついにはローマの独裁者にまで
なった。彼の話は面白いので、ぜひいろんな本を読んでいただきたい。
ところが今日書きたいことは、あの日本のバブル期の話である。
大阪ミナミの料亭「恵川」の女将であった尾上縫という人は、なんと
日本の一流銀行相手に延べ2兆7千万円も金を借り出していたのだ。
シザーの40倍以上もの借金である。
興銀だけでも4千億円も借り出していた。
結果として彼女は、12の銀行から3千400億円も搾取して詐欺罪で
逮捕されることになる。
一人の女性が、日本の超一流の銀行群から2兆37万円もの大金借金
していたと聞いたら、シーザーも参った!というだろうな。
シザーは良くも悪くも、世界に知られる英雄であり独裁者であり、歴史に
大きな名を残した人であり、ローマを世界一のものとした功績も大きい。
尾上縫はシザーの40倍もの借金を活かすことなく、罪人となった。
金に踊り、踊らされた一人の女性と、金の専門家であるはずの銀行が
その女性に操られた世にも馬鹿げたお話であるが、歴史に残るとすれば
銀行の愚行だけだろう。
誰もが異常な精神状態だったあの時代の再来があってはならないと思う。