錦織選手の大活躍によって、日本ではテニス熱が広がり
選手層が広がることだろう。
それを承知の上で私なりの日本のテニスがもっと強くなるための
提案である。
今から61年前、私が在学していた学校の教授が近くにあった
国際基督教大学のテニスコーチでもあった。
教授は私たちにもテニスを教えてくれることになり、私たちは関東
ローム層(富士山の爆発で積もった火山灰地層)の上にローラーを
かけて即製のテニスコートを作った。
私はここで初めてテニスと出会うこととなった。
当時の私が知っていたの軟式テニスだった。硬式テニスの試合など
観たこともなかった。
教授は言った。「テニスとはこれであって、日本で行われている軟式
テニスなどはどこにもない」と。硬式テニスだけがテニスなのだと。
あれから61年経った今でも、大学などには軟式テニス部が存在する。
私にはその意味が分からない。
最初から硬式テニスに慣れてしまえばそれなりに巧くなるはずである。
しかし最初に軟式テニスをやるとなかなか硬式テニスには馴染めない
ものだ。
テニスと底辺を広げるためにも、最初から硬式テニスをはじめてほしいと
願っている。
錦織選手のように13歳からアメリカに留学できるような人は多くはない。
国内で強い選手養成が行われるようにするためには組織的に強化を
図ってほしい。
オーストラリアなどはテニス環境がすごい。だからこそ、グランドスラム
大会の一つに全豪オープンが組まれているのだと思う。
今回の錦織選手の大活躍は10年後の大選手を生むきっかけとなる
ことを願っている。