中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

文藝春秋社はすべての医者を敵?に回す覚悟なのか

 月刊・文藝春秋の1月臨時増刊号が出版されている。
1冊の全部が近藤誠さん関連記事で埋め尽くされている。
本のタイトルは「何度でも言う、がんとは決して闘うな」。
これまであまり見られない特別な扱いだと思うし、ここまでやると、
世の医療者に文藝春秋社がそっぽを向かれかねないのではないかと
さえ思う。
 
これまでも月刊・文藝春秋に近藤誠氏の記事は数多く掲載されてきた
経緯がある。
 近藤さんは1996年出版の「患者よ、がんと闘うな」でよく知られた方で
ある。
慶応大学の放射線医として多くのがん治療にかかわってこられたご経験を
お持ちだし乳がんの全摘手術に歯止めをかけた一人としても知られている。
しっかりした考え方を持っていて、これまでに書かれた著書は数えきれない
ほどである。(私はすべて読んでいる)
 もし、現役の医師に近藤さんの「がんもどき理論」や「抗がん剤が効かない」
「放置療法」について意見を求めると、多分だが・・表向きは99%の医師が
非難するのではないだろうか。
 表向きというのは、本当は「そうだそうだ」と、近藤さんの意見に賛同している
医師でも、うかつに近藤さんの考え方を支持すると「村八分」になりかねない
からでもある。それが医療という囲われた狭い社会の中では、仕方のない
ことかもしれない。多くの医師は、いや医療者は「とんでもないこと」として
毛嫌いしているように私は思う。
 私は、近藤さんが書かれたものに賛同する部分がきわめて多い。しかし、
全面的ではない。
 そこで、以前から構想を持っていた「がん治療・あなたが主治医」の原稿を早
く完成させて世に問うべきかと思ったりしているが、なにせ、1冊の本を書こうと思うと
目が疲れて辛い。
誰か編集を手伝ってくださるかたが現れたらできるのだが、などと思うのも歳のせいか。
 医者からでもない、患者からでもない、(私は患者だが)立場から「がん医療」
を問いたいと考えている。
 がん医療は難しい。だからこそ、患者にもっと良いアドバイスを送ってあげたい。
近藤さんの本では納得できない人もいる。医師も信頼できない人もいる。
私がその溝を埋めてやりたい・・と願う気持ちばかりがはやっている。
これまで500人以上のがん患者や家族から電話相談を受けてきた私だからこそ
書けるものがあると自負しているが、パソコンに長時間向き合うのもつらい。