中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

センター試験廃止・是か非かの前に考えること

 文科省が5年後をめどにセンター試験を廃止して、新たに到達度試験
に移行する案を考えているという。
 センター試験と違って一発で決めるというのではなく、到達度試験の場合は
何度も受けることができる。
 私の意見を先に行ってしまえば、改正に大賛成である。
現場が混乱するとかなんとかこれまでの路線を変えたくない連中には
センター試験のほうが楽で、ほかにもメリットがあるからだろうと思う。
 何もかも欧米にならうことはないが、、多少の制度の違いはあっても、
欧米諸国はほとんどが到達度試験を実施している。センター試験一本で
合否を決めるよりは、実力がわかりやすい到達度試験のほうがよいに決まっている。
 しかし、センター試験をどうするかという問題より大きな問題があることに
気づいてほしい。
 今の日本の大学生の学力は、平均すると恐ろしく低い。これでも大学生か
と思われるような学生が、ごろごろしている。
その原因の一端は推薦入学が多いからだとも思う。
 センター試験や、到達度試験がなぜ必要なのかというと、ひとつの大学に
同程度の学力を持った生徒を集めて教育効果を上げたいからに他ならない。
 しかし、推薦入学が増えると学力の程度に不揃いが生じて教育の現場に
いる教官に大きな負担がかかってしまう。
 ここで、何よりも注目してほしいし、関心を持っていただきたいのは、大学入学
制度よりも、卒業資格についてである。
 誰もが知っているようで知らないのが、日本と欧米の大学の卒業資格だと思う。
日本の場合は、入りやすく出やすいが欧米の大学は、入りやすく出にくいと
一般に言われているが、その実態を知る人は少ない。
 私は、欧米の(特にかかわったのは、アメリUCLAと豪州のUCWAの生徒だが)
生徒たちを見ていて、その主題の多さに驚いたものだ。
何しろ遊ぶ時間など与えないぞと言わんばかりの宿題の量である。
 医学部の例をとってみよう、入学して1週間後には、生きたカエルの解剖実験。
入学からわずか6か月目には、プールから死体を上げてきてグループ別に解剖学
をやる。午前中なので、適正のない学生は昼食も食べられない。
そうして、どんどんふるい落としがあって、1年の終わりには3分の1の生徒は
落伍する。6年後の卒業時には、入学時の3分の1も残っていない。
 医師には適正が何よりも必要だ。これは教師にも言える。
適正を無視した入学制度、卒業制度の在り方を同時に議論してほしいものだと
思う。
 これ以上、日本の大学生の(大学といってもいろいろあるが)あほな学生の
乱造だけはやめてほしいものである。