中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

森光子さんと初めて出会ったとき

 名女優の森光子さんが92歳で亡くなられた。心からご冥福をお祈りしたい。
私の若いころは、若尾文子さんと音羽信子さんのどちらかの不安に分かれていた。
今から25年ほど前はキョンキョン小泉今日子)と中森明菜の不安に分かれて
いたようだったが、あの二人とは時代も違うが貫録も違った。
 何しろ若尾文子さんと音羽信子さんは大女優と言う肩書がつく人なのだから。
私は、若尾さんの大フアンで、今も続いている。
 しかし、いくらフアンでもお会いしたこともなく、ただ映画館のスクリーンに映っている
姿を追っていただけだった。
 そのころ、大阪の高麗橋三越に『三越劇場』と言うのがあり、出かけたことがあった。どういうことで行ったのかまでは覚えていない。ラジオの公開番組だったように
覚えている。
 そこで、初めて森光子さんを見た。60年も前のことだった。60年前と言うことは
彼女は32歳だったということになるが、その年齢になってもそれほど知られた存在ではなく、あまたいる芸能人の一人にすぎなかった。
 しかし、初めて森光子さんに目の前でお会いした時に『世の中でこんなにきれいな人が、本当にいるものだ』と心を奪われてしまったことは今もって忘れられない。
 世界の美人女優にあこがれて、ビビアン・リーだ、オードリ・ヘップバーンだと騒いでいたが、森光子さんに始めてお会いしてすっかりフアンになってしまった。
気取っていないのもよかった。私はそのご、いろんな女優に会う機会を得たが、
気取っている人が多くがっかりしたものだ。
 森さんは、そのご大女優へと登って行ったが、あの気さくさはおそらく最後まで
残っていたのではないかと思う。
 名優がまた一人消えた。寂しくなった。私は三越劇場での森光子をいつまでも
記憶にとどめておくこととしよう。