原発事故の際の各新聞社などの報道について思い出していただきたい。
いつも同じことを指摘しているので、またかと思われる方もいるだろうが、
日本独特の(決して欧米諸国ではあり得ない)記者クラブというものの
存在が、重大な事柄の場合も「後追い報道」になってしまう原因を作っている。
言い換えれば、上からの垂れ流しでしかニュースが書けない無様な姿が
記者クラブに入っている有名新聞や週刊誌なのだ。
原発事故の際に、私はいち早く「政府の言う20キロではなく、なるべく遠くへ
離れろ」と何度も何度も書いた。
今頃になって、当時の政府の姿勢がどうのこうのと新聞は書きたてているが、
あの当時、政府発表に合わせた報道をしていたことを恥じるようなことを書いた
新聞を見たこともない。
国民が重大な危険にさらされている時、新聞社は独自の判断でその危険に
ついて報道すべきではないだろうか。
全く役に立たなかった。事故に際して、打つ手どころか、何がどうなっているか
さえも判断できなかった。
垂れ流し報道は、役に立たないということを実証したのが原発事故だった。
新聞各社は、もっと真剣に国民の要求を見定めないと、新聞は要らない
という声につぶされるだろう。