中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

原発事故・問題点の検証(4)

原発事故へのシュミレーション不足だったことは弁解の余地が
ないはずである。
問題は、柔軟に対応できる人材が原発事故に関わる人たちの
中に居なかったことだけは確かである。
もし、柔軟に対応できる人がいれば、保安院とか原子力委員会
とか政府内とかを問わずに、外部からの意見に耳を傾けることが
できたはずである。
 
枠内の一部の人たちが、大事故に慌てふためき、右往左往しな
がら対処したにすぎない。言うならば「藪医者」なのだ。
見たこともないひどい症状の急患が運ばれてきて、どうしてよい
のか分からずにうろうろしているようなものだ。その挙句に、要らない
注射をし、効きもしない薬を処方したのと同じである。
 
自分たち以外に、最良の考えを持っている人がいるかもしれない
とは考えなかったようだし、申し入れさえ無視したり、断っていた
ようだから、どうしようもない。こんな藪医者にかかれば、命は
いくらあっても足りないだろう。
 
汚染水の海への放出で海外から批判され、高度汚染水の
漏水対策として、「オガクズ」「新聞紙」を使った時には思わず
笑ってしまった。ナンタルサンタルチア・・・。
 
どこから急かされたのか、今後の収束に向けての対応策と
日程が発表された時、私は「絵にかいた餅」と批判した。
実践不可能なことばかりが書かれていたからだ。
どうして、こんなにも無責任な収束案や日程を発表できるのか。
その神経が分からない。東電も原子力委員会も、保安院
偉い人ばかりのはずなのだ。高度な教育を受けた人たちの
中でも選りすぐりの人たちばかりのはずなのに、こんな出来も
しないものを発表できる・・という馬鹿さ加減が分からない。
 
高度汚染水が建屋内に溢れ、建屋内にも入れない中で、なにが
出来ると言うのだろう。
配管の損傷があるから汚染水が漏れていると考えられるのに、
配管検査をすることもできない。
コントロール室にも入れないから、計器盤さえ見ることが出来ない。
アメリカからの無人ロボットでようやく原子炉内の大まかな調査が
出来たと言う程度なのだ。
 
そしてやっと本音が現れた。
循環による冷却をあきらめると言う。そんなことは最初から出来ない
って分かるはずではないかと思うが、連休前にようやくホンネ発表
になったようである。
循環による冷却が出来ないとどうなるか。冷却出来なければ、燃料
棒から高熱が出て、一気に蒸発が進み燃料棒が溶けてしまう。
だから、冷却だけはやめられない。そのためには放水しか道が
ないが、放水した水は全部汚染水となると言う矛盾がある。
 
建屋内に入らないと作業が進まないが、建屋内は汚染されている。
そこで、建屋内の高度に汚染された空気を10分の1の放射線
にするために、汚染された空気を吸い込み、除去してから再び
建屋内に戻す空気の循環工事を始めるそうだ。
内部と外部と循環させるために8本のパイプをひきこむ作業が
始まっている。一人10~15分とう短時間内の作業のようだ。
この仕掛けが出来たとして、上手く建屋内の汚染空気がきれいに
なるかどうか、やってみなければわからない。
建屋内の空気がきれいになると人の出入りがしやすくなると
言うわけなのだが、汚染水が溜と心配だ。
 
フランスからやってくる、汚染水浄化機に大きな期待がかかっている。
空気の場合と同じように、この機械を外部に置き、汚染水を浄化
しながら循環させれば、次第に汚染度が低くなっていく、という考えなのだ。
だが、これだけでは収束には持っていけないのだ。建屋内の汚染水の
除去に完全に成功したとしても、・・・・・もう、本来の循環式冷却法が
取れないことが分かってしまったからには、次の一手が必要だ。
さて・・・・どうするか・・。