中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

誰もが初体験の怖ろしい現実

福島第1原発事故から2カ月経って、東電はようやく炉心溶融メルトダウン
を認めた。
水素爆発を起こした時から懸念されていたことではあったが、東電も政府も
それを認めようとはしなかった。
1号機は他の原子炉に較べて安定していると言われ、建屋内の汚染空気の
浄化の後に熱交換器を設置して安定的冷却装置を設置する手はずが整い
つつあった。
しかし、圧力容器内の正確な水位が計測できるようになると、水位が燃料棒
より低いことが分かったと言う。と言うことは燃料棒が空炊き状態となり、
すでに融けて圧力容器の下に落ちたと言うことをあらわす。
融け落ちた燃料棒が、圧力容器を溶かし損傷させ下部に穴があいて格納容器
へと汚染水が流れているようだ。
格納容器内の水位も低い。これまで1万トン以上の水を注入しているのに、
だから、1カ月以上も前に懸念して書いたように「ダダ漏れ」状態だったのだ。
 
外部からの冷却方法は早くから断念し、熱交換器による安定的な冷却を
図ってきた1号機だが、今の状態ではそれも出来ない。お手上げの状態なの
である。
冷静になって考えよう。比較的安定していると言われた1号機が、この状態
では、2、3号機はもっとひどいだろうと思われる。
これでは、今後どうしたらいいのか判断に困るだろう。
世界で初めての怖ろしい経験をしている。誰もこれまで経験したことがなく、
対処の方法も手探り状態なのだ。
その上に、内部が見えない。1号機はやっと水位計を回復したので水位が
分かったが、2,3号機に至っては、ほとんど何も分からない。
世界中の専門家が知恵を絞っているだろうが、解決策に窮しているようだ。
廃炉に向けての作業はいよいよ困難になってきた。
汚染水との戦いをどのようにこなすか。フランスからの汚染水洗浄装置が
1台や2台では、どうにもなるまい。
政府はどこまで手当てをしてあるのだろうか。方策を示してほしい。