政府と東電が掲げた工程表は最初から「絵に描いた餅」と批判
してきたが、やはり見直されることになった。
そもそも最初の工程表が出された根拠が疑問だった。
工程表通りに進むはずがないほどのダメージがあったからだ。
その後の作業の推移を見ても、最も進んでいる1号機では、水棺
作業が頓挫している。建屋内の汚染空気の入れ替え作業をして
放射線量が下がったようなことを発表していたが、依然として高い
線量が計測されている。今後は建屋内に熱交換器を設置して
冷やすことを狙っているが、高い放射線量が邪魔をして簡単ではない。
水棺のために「水位計」が作動するようにするらしいが、見守るほかない。
2号機では、タービン建屋の地下などにたまっている高レベルの放射能
汚染水が問題だ。汚染水の移送作業を続けているが、思ったほど水位が
下がっていない。原子炉建屋内の湿度が高いことも課題になりそうだ。
3号機では、圧力容器内の温度が下がりきっていない。注水量を増やし
3号機では、圧力容器内の温度が下がりきっていない。注水量を増やし
たが、効果が十分に得られていない。現在最も危険を抱えているのが
3号機だ。
4号機は、爆発で原子炉建屋が大破した。使用済み燃料棒プール
が爆発で相当痛んでいて、水漏れの疑いもあり、水の重さに耐予定だ。
ここまで観て来て感じることは、現実的にはほとんど前進していないと
いうことであり、その原因は建屋内外の放射線濃度が高いからである。
人的な犠牲の上に立っての作業を進めているが、そのためには多くの
作業員確保が求められる。大阪・釜が先から派遣された作業員が原発
作業員になることを求められたと言うほど作業員確保に困窮しているの
だろうか。
作業員は、誰でもいいと言うわけにはいかない。なんらかも技術を
持っている人が求められるのだろう。水素爆発によって原発周辺に散ら
ばっている多くの瓦礫の始末さえ未だに出来ていないのが現実だ。
未だまだ先は長いと覚悟せねばならないだろう。