中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

気になる言葉(その3)

先日、娘の家近くの小さなスパーで大根を買った。得意のビール漬けを
作ってやろうと思ったからだ。
東京のある有名な料亭では大根のビール漬けを出すと聞いたのは10年も前の
ことだった。作り方は秘伝だと言う。
それじゃ作ってやろうかと思い立って作り始めた。何しろ漬物なんて売っていない
豪州・パースに住んでいた時で、漬物に飢えていたという事情もある。
何度か失敗して上手になった。その後多くの人に作り方を教えたが、みんな上手く
行かないらしい。

たまたま大根が目に入ったので、娘に秘伝?を教えてやろうよレジのところで
お嬢さんに「このあたりにタッパーウエアを売っているお店を知りませんか?」と尋ねた。
お嬢さんは、「知りません」という。
「あの・・この大根を切って入れる入れ物がほしいのだけど・・・タッパウエアを知らないの」
「あの・・・タッパウエアと言うのは知りませんが、タッパならあそこのヒャッキンで売って
いますが」という。

あ・・・そうなんだ。タッパウエアとタッパが同じものだと、お嬢さんは知らないのだ。
日本人は何でも言葉を短くする習性がある。
テレビジョンはテレビ
フアクシミリはファックス。

日常の生活の中で「英語」を挟んだ会話はかなりの量になる。
正確に使っておれば、いつの間にか英語も身につくというものだが、短く端折って
しまった英語では英語ではなくなってしまう。
外国へ行って「テレビ」と言っても通用しない。
ファックスと言うとファック(性交)と間違えられるだろう。

タッパではなくタッパウエアと、これを売り出した当時は正確に言っていたのに
いつの間にかタッパと略されたようだ。
帰国後、家内が一番困ったのが「ヒャッキン」という言葉だったそうで、みんなが
使うのに、私には意味がわからず困った・・と言う。

せっかくなのだから、もう少し正確に言葉を使いませんか。
短くすると便利だけではなく、かえって不便なこともあることを知ってほしい。
国際化を言うなら、外国語を短く言うのはやめたいものだ。