中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

アメリカを揺さぶっている各種「陰謀論」で今のアメリカを読み解く

アメリカの陰謀説と、それを利用して煽るトランプ大統領

今日、バイデンさんが新しい政府の閣僚を発表し、やっと

政権が変わるのだという実感が出てきました。それにしても

アメリカという国のある種の馬鹿らしさ、おかしさが出ていた

今回の大統領選でした。それも大統領自らが言い出した陰謀説

が世をにぎわせたのですからなにおかいわんやです。でも・・

日本でも、トランプ初の陰謀説を信じている人がかなりいるらしく

笑いごとは済まされません。

  今アメリカでは陰謀説が盛んです。これまでにも陰謀説は数多くありましたが、だれもが陰謀説を口にすることをはばかる風潮がありました。 しかし、ホワイトハウスから陰謀説が堂々と流されるに及んで、だれもが遠慮することなく、口々に陰謀説を唱え、しかも、その陰謀説によって4年前に大統領になれたというトランプ氏にとっては、今回敗れたととはいえ、4年後の再選に生かす目的もあって、陰謀説はますます流布されています。 共和党員の4割が陰謀説を信じているといわれています。

陰謀説は、アメリカという国が建設されたときからのいきさつが絡んでいるのでしょう。建国当時、宗教弾圧から逃れたプロテスタント信者や白人、ブルーカラーの人たちによって作られました。 当時から、建国した人たちは、いつかこの国はだれから狙われるだろうという気持ちを強く抱いていたようです。 その気持ちの裏返しが陰謀論という形になっているのだろうと言われています。

 これまでどのような陰謀論があったのかを書いてみましょう。

1770年代には、あの有名なフリーメイソンがワシントンの中央政権を操っているというものでした。これは、今でも信じている人が多いのではないでしょうか?

1800年代には、カトリック信者たちがプロテスタントを追い出そうとしているというものでした。

1900年代にはいると、共産主義者アメリカを乗っ取ろうとしている、というもので、当時のマッカーシー上院議員が言い始め、たちまちにしてアメリカ議会に蔓延し、当時の映画人芸能人などが「赤」のレッテルを貼られていきました。あのチャップリンさんが海外追放されたことで、陰謀説がどれど猛威を振るっていたかを想像できるでしょう。

 2010年代になると「ディープステート(影の政府)」がアメリカを支配しているというのが幅を利かせるようになってきました。 実は、この陰謀説を上手に利用したのがトランプ氏だったわけです。 アメリカは、このままではだめなのだ、私が大統領になってアメリカを救う・・と、アメリカの救世主として名乗り出たのでした。この陰謀説を流したことで、トランプ氏は大統領に選ばれたということです。 その流れはいまも変わ

っていません。トランプ氏が大統領選に敗れたものの、これまでの最高得票だったオバマ前大統領の得票数を上回ったのも、救世主としてのトランプに対する信仰に似たものがあたからでしょう。 救世主とはキリスト以外に使える言葉ではないのですが、思いあがったトランプが、本当にそう思っているとすれば恐ろしいことです。

 現在流されている、新しい陰謀説は・・・「ディープステート(影の政府)」がパンデミックを仕組んでトランプ氏の再選を阻んだ・・・というものです。 もう一つはトランプ氏自身が言い出した「中国がアメリカを攻撃するために人工的なウイルスを作ったのだ」というもので、共和党員の4割がこの説を信じているというから恐ろしい。

  口にするのも憚れる陰謀説が、いまやホワイトハウス発ともなれば、より多くの人たちが信じてしまうようになる。 

  こういう姿のアメリカを見てわかるように、アメリカという国はそれほど意識の高い人たちばかりではないということだ。 

アメリカでネイティブと言えば本来はアメリカン・インディアンのことなのですが、アメリカ人たちはそう思ってはいません。 アメリカのネイティブとは、白人の富豪であり、白人のホワイトカラーとブルーカラーであると彼らはいいます。 トランプは移民の子ですが、彼の先祖が来たころまではネイティブに入るのだそうだ。  黒人、最近のし上がってきている女性、移民、難民はネイティブじゃないという。

そして2040年代になると、ネイティブの数が、その他の人たちに数の上で支配される立場になってしまうから、今のうちにネイティブが支配する立場を確立する必要があるというわけです。 もちろん、逆の側からの陰謀説もあります。 ネイティブたちは数字の上で逆転されないうちに、今一度黒人支配制度を作ろうとしているというものある。 だから、今のうちにそういうもくろみを叩き潰さなきゃというものだ。 こういう陰謀説が渦巻くと、対立が深まり、世が乱れてしまう。 バイデンさんの政権になった後も、こういう陰謀説が政権の邪魔になるだろう。

 最も恐れているのは「Qアノン」の存在だ。 今回の選挙で共和党から4人ものQアノン議員が誕生した事実は今後のアメリカに恐ろしいものを感じる。  芥川龍之介さんの作品に「蜘蛛の糸」というのがあります。

あの物語と同じように、ネガティブたちは既得権益を確保したいために、後から来た黒人、移民、難民、女性たちを蹴落としてしまえ‥としているのでしょうか。