麻雀のゲームCDなどにはどれもこれも、オドロオドロした画面が出てくる。
麻雀を楽しむ前に、その雰囲気が嫌いだった。
麻雀の魅力は、ばくちとしての麻雀を描いた阿佐だ哲也氏(朝だ徹夜だ)の
の小説「麻雀放浪記」のように、闇社会的な暗さがあった。
そういうイメージのある麻雀に、高度な頭脳スポーツという新しい魅力をと
新しく生まれたのが「大和証券Mリーグ」だった。
最高顧問には、Jリーグのチェアマンであった川渕三郎氏がいる。川渕さんは
分裂状態だった日本のバスケットを一つにまとめてBリーグも立ち上げた方でも
ある。
プロ野球と同じようにドラフト会議を開き、各チームがそれぞれ所属3選手を
指名する方式で、昨年10月、各チームが80試合を戦うリーグ戦(レギュラー
シーズン)が始まった。
各チームの所属選手から1選手が登場し、1試合につき1半荘を戦う。チームの
ユニホームを着て対局する選手たちに、バルーンをたたいて盛り上がるパブリック
ビューイング。 これまでの麻雀界にはなかった景色が生まれ、ネットテレビ局
「AbemaTV」で放送された。
レギュラーシーズンを終え、ポイントの上位4チームが朝日新聞ファイナル
シリーズに進出。さらに24試合を戦った。
優勝賞金5千万円と優勝プレートを手にしたのは、博報堂DYメディアパートナーズ
によるチーム「赤坂ドリブンズ」だった。
麻雀の競技性を突き詰めてきた3選手が所属するチームが初代王者になったのは、
麻雀の新しい楽しみ方を象徴するかのようだった。
ギャンブルから離れた麻雀の Mリーグの発足は麻雀プロにとって驚きだった。
麻雀業界には、いくつかのプロの団体があり、それぞれがゴルフのようなプロテスト
を実施している。
だが、Mリーグは選手1人あたりの最低年俸が400万円。プロ野球の最低年俸に
も匹敵する額が用意された。
企業の看板を背負って、麻雀を打つ。概要を知ったとき、ドリブンズの鈴木たろう(45)
は「麻雀がついに競技になるのか」と喜んだ。
「ギャンブルから離れて、ちゃんとした技術を比べ合う場ができる、と思いました」
Mリーグのホームページを紹介しておこう。https://m-league.jp/
私は、このような日が来たことをとてもうれしく思う。