中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇・本当か?

 「炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇」という内容の論文が2017年、
英医学誌ランセットに掲載され注目を集めています。
 日本では「糖質制限食」が話題になっていて同じようにも思えるのですが、
今回の論文とどう違うのでしょうか。、
ランセットに掲載された論文の内容は以下の4点に要約できます。
1)炭水化物摂取量の多さは、全死亡リスクの上昇と関連している。
2)総脂質も各種脂質も摂取量の多さが全死亡リスクの低下と関連している。
3)総脂質、各種脂質の摂取量は、心血管疾患、心筋梗塞(こうそく)
  心血管疾患死と関連していない。
4)(乳製品や動物性食品に多く含まれる)飽和脂肪酸の摂取量は脳卒中
  発症リスクと逆相関している。

 以上4点では、「炭水化物の摂取量」が多いほど死亡リスクが高まり、脂質の
摂取が多いほど死亡率が低下する」という内容になっています。ということは、
「脂質をなるべく減らしましょう」という日本の従来の健康常識を真っ向から覆す
研究報告であって、今後大きな議論を呼ぶでしょう。
 私は、なんでも万遍なく摂取する食事法が正しいと思っていますが、身の回りの
人たちを見ると、食事法にかなり偏りのある人が多いようです。そういう人にはこういう
論文も参考になるのかもしれませんが、どうなのでしょう?
 タンパク質の摂取でがんになるなどと書いた本も出ています。そんなバカな!!と
思えばいいのですが、信じてしまう人が多いのが問題です。