芥川賞の朱書作品は、大方読んでいる・・と思っている。
第1回の石川達三さんの場合は、作品の追っかけをしていた。
芥川賞って、やはりすごい、これが純文学って言うものか・・と、
思っていた。
その後、井上靖さん、五味康祐さん、松本清張さん、安岡章太郎さん
遠藤周作さん、開高健さん、大江健三郎さん、田辺聖子さん、
津村節子さん、丸谷才一さん、中上健二さん、村上龍さん、宮本輝さん。
名をあげればきりがないほど読んだ。
これらの作家たちは、その後も素晴らしい作品を書きました。
最近の受賞作品がどうにも納得ができない。どうしてなんだろう?
これは時代の流れか、文学の考え方が違ってきたのだろうか。
勘繰れば、本が売れない時代を迎えて、出版社の営業的考慮なのかも
知らないと思うようになってきた。
それにしても、だんだんレベル低下したような気がする。
一時期は難解な作品に賞を出していた時期があった。それが営業的には
マイナスになったことだろう。
最近の傾向は、誰にでも書けそうな作品が受賞している。
最近の傾向は、「火花」や「スクラップ アンド ビルド」などに
表れている。今回受賞の「しんせかい」もイマイチなのだ。
「火花」が、文庫本を入れて240万部以上も売れているというのは、
読み易くなったからだろう。文学と縁のなかった人たちにも読まれる
作品からだろうと思う。それはそれでよい。
でも・・さ。何か、文学への憧れのようなものを抱ける作品がなくなった。
最近は、直木賞の方がずっと良い。
直木賞の中に純文学的なものが増えてきたともいえるだろうという、
世界的に見てもおかしな日本文壇の方がおかしいのかもしれない。
もう・・芥川賞を止めたらどうか・・と、私は提案したいほどだ。
126回以降に、どれだけ読ませる作品があったのかと、問いたい。
今回は156回だった。