先ほど縦割り行政が「伏魔殿」を作ってしまったと
書きましたが、日本の場合は市町村に至るまで縦割り
行政になっています。
聖徳太子のころから続く古い習慣であり、明治政府が
作った制度の中で、最も悪いものだと言えます。
特に日本の場合は行政の地域が巨大すぎるのです。
日本でも、徳川時代には教育権などは地方に任されていましたが、
明治期になって中央政権において、何もかもやってしまうように
なりました。
西欧諸国などでは外交と軍事を中央政権が担い、教育などは
州政府などに任せるとことが多いものです。
そのうえ、日本の各地方行政の範囲が大きすぎる。
大きすぎるというのは、面積のことではなくて、人口的なもの
です。
ロスアンジェルスが1000万人を超えると言っても、たくさんの
行政に分かれています。東京都のように1200万人もの人口を抱えて
いる都市など、世界中の他の都市にはないのではないでしょうか。
諸外国では、小さく行政府が分割されているのに、情報が共有されて
物事がスムーズにいくようになっているのに対して、日本の場合は
何もかも抱え込んでいる上に、隣の課がやっていることを知らない
というような、ちょっと信じられないような無駄な仕事をやって
いるのです。
縦割り行政の悪習に関しては、経験した者にしかわからない「くだらなさ」
があります。お役人さんたちの「お上(おかみ)意識」が、無くならない限り
日本ではいつまでも、この悪習感が続くでしょう。