仏海上人という方がいる。
私は信者ではないから、仏海上人がどのような宗派の方かも
知らない。
しかし、上人の仰った言葉だけ知っている。
「どんな痛みも、足が萎えてしまうことも、腹が減ることに較べれれば
たいしたことではない」という言葉だ。
若い人の多くは、「痛み」もあまり知らないだろうが、高齢になるとか
病気などで「痛い」では言い表せない「疼痛」を経験した人ならは
痛みほど辛いものはない。痛みさえ取ってくれれば、あとの様々な
症状は辛抱してもよい・・・と、強烈な痛みを感じた人ならば思った
ことだろう。
しかし、上人は「腹が減ることに比べれば、そのようなことはたいした
ことではない」とはっきり仰っている。
そうなのだ、経験しなければ分らないことだが、食べるものがない
状態が続いたときに人間はどこまで耐えられるだろうか。
飢餓とは痛みより恐ろしいものなのだ。
おかずは冷たいからと言って食べ残すような生徒の親も顔が見て
みたい・・・そんな気持ちになってしまう。