中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

肺塞栓症 (3)主治医

 血管の中には何らかの原因によって「血栓」ができるものらしい。
 血栓は、動脈にも静脈にもできるようだ。
 その血栓が心臓に飛んで心梗塞にあることもあり、
 脳に飛ぶと脳梗塞にもなる。どちらも命にかかわるものであり、
 時間を争う病期と言う点では同じだし、命が助かっても
 心臓や、脳に何等かの障害を残すので、完全に元の身体に
 復帰できそうもないらしい。
 私の場合は「肺」に飛んでいたようだ。だから病名は「肺塞栓症」という。
 私の場合は「がん」の分野の知識は豊富で、しかも年間200名以上の
 さまざまな部位のがん患者の相談を受けているうちに、あらゆる情報が
 私の中に蓄積して、相談者の役に立つ結果となっているようなのだ。
 「こんな内容は、これまで誰にも相談できなかった。もちろん医師にも
 言えなかった。今日はとても気分が爽快です。今日電話させていただいて
 ラッキーでした」と言われたのは、私が入院する4日前だった。
 入院する前日の夜にも相談電話があった。前立腺がんですでに骨転移
 もあるという。住所を訪ね、あなたの自宅の近くに緩和医療の上手な先生が
 いるかどうか探してみましょう。わかったら連絡しますね。と、言った翌日に
 入院することになってしまったので、今後の対応を考えている。
  どうしてこんな話を書いているのかと言うと私の親しくしている医師に
 循環器の病気ではないかと思うので、頼りになる医師を知らないでしょうか
 と相談したことがある。もちろん彼は「がん医療」の専門家である。
 彼が言うには、がんと循環器科とはもっとも遠い関係にある診断科なので
 ほとんど知らないと言っていいほど知らないな~~~と。
 そして、がん治療が上手だといわれるような病院は循環器系があまり上手
 だと言えないし、循環器系の治療がうまい病院でがん治療が上手だという
 話もあまり聞いたことがないな~~。と。
 なるほど…と感心してしまった。その通りなのか、どちらの治療も上手な
 病院があるのかもしれないが…。
  私の場合も、がんのことはいくらか分っても自分に循環器系の病名が
 付くまでは、何も知らなかったといってよい。
 私の教え子の母親がある日大動脈瘤かい離で亡くなったことがある。その時
 は、その病名を聞いただけで、ある程度の想像ができたという程度の理解
 だった。
 「肺塞栓症」はとても怖い病気なので、何回にもわたって書いていくが、私の
 主治医は、オーケストラの指揮者として世界一だと言われるあの方と同じ名前である。
 きびきび、はきはきしていて気持ちが良い。声が良いので「先生はテノール
 カンツオーネを歌うといいと思いますよ」と言ってある。
 彼が、いろんな検査を進めた結果「なかはらさん、病名が分かりましたよ」と
 言ってくれた時は、ほっとした。彼の言いなりになって治療を進めている。
 信じるに足るドクターだと思っている。