中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

事故と人材の関係

 韓国・珍島沖での沈没事故で多くの高校生が行方不明となっている
 のに心が痛む。多くの高校生とかかわってきた私にとって、このような
 将来性のある年齢の若者が、こんな惨めな事故に遭遇したことに憐れみと
 ともに、事故を引き起こした関係者に怒りが湧いてくる。
 
 これまでにも何度か書いたことだが、事故には必ずと言ってよいほど想像以上に
 単純なミスがつきものだ。今回の沈没事故にしても、おそらく単純なミスが原因だった
 のではないかと思う。
 韓国で起こった事故だから・・・と、思ってはいけない。JR北海道にもみられるような
 人材不足で起こったものだと考えられるからだ。
  人材とは、「財産と言えるような人」なのであって、だれでも人材だとは言えない。
 「人罪」と書いた方がよい人だっている。今回の沈没事故の船長や航海士などは
 人罪の方かもしれない。
 JR北海道にも人罪のような人たちが何人もいたからこそ、あのような事故が続いた
 のだった。
 人材が不足していると、必ず事故は発生する。では人材とはどういう人のことなのだろうか。
 私はこう思っている。先ず、自分が属しているグループのあらゆることに精通して
 いることが条件である。そして、会社員の場合、いつも会社のことを考えている人、
 会社のトップが考えていることを先取りして考えられる人。そんなことは出来っこ
 ないと思われるかもしれない。
 たとえば、過去最高益を誇っているトヨタを例にとってみよう。
 本当に過去最高益なのか・・・少なくとも課長以上(何人いるのか知らないけど)は、
 トヨタの財務諸表を読み解く力を求められるが、それができているかどうか。
 そしてまた、円で表示された財務諸表をドルに換算して考えられているかどうか。
 円表示では過去最高益でも、ドル表示にすればそうでないことが読み取れるのだ。
 トヨタの社長は、そういうことも常に考えているはずだ、
 大量のリコール車がでる背景にも、人材が不足しているか、配置が悪いなどの
 原因があるはずだと思う。
 LCC(格安航空会社)が続々と現れて、人材不足が心配になって仕方がないが、
 あるLCCでは、機長自らが出発前に点検して、整備士たちが見逃していた不備を
 見つけたそうだ。
 このような「人材」がどの職場にも求められるが、求められているような人材が揃って
 いる会社は少ないだろう。個人個人が、自分を磨くほかに人材は育たない。
 いろんな事故が相次いでいる。必ず近いうちにどこかで重大な事故が起きるかも
 しれないという予測のもとで、事故を回避すべく、ベターの選択がいるだろう。
 東京の国際医療センターで、78歳女性が腰椎検査の医療ミスで死んでしまった。
 78歳だからよいとは思っていけない。これも、あってはならない大きなミスなのだ。
 ミスを防ぐ心構えがないからミスは起こる。心構えがあってもミスは起こる。
 人間とは、ミスを超す可能性の高い動物なのだ。だからこそ、自分を磨く以外に
 良い方法はないのではないだろうか。