中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

家族が「がん」になった時、あなたはどのように対応しますか?

 自分自身が「がん」になった時と、両親や伴侶、子供など家族が「がん」に
なった時と、思いは同じではないと思います。
 もちろん自分自身が「がん」だと告げられた時に平然としておられる人は
少ないでしょう。
 私の場合でいえば、ある程度の知識を持ってはいましたが、それでも「がん」
だと告げられた時に「嘘」だと思いました。ショックはありませんでしたが、ほんと?
という受け止め方でした。ということは、やはり平常ではなかったということかも
しれません。
 自分ががんだとわかった時と、家族ががんだとわかった時とどちらが苦しいかを
比較することはできません。それぞれにケースが違うからです。
 私の場合は、すでに両親も亡くなっているので家族と言えば伴侶をさしますが、
もし妻ががんだと分ればどんなにか辛いことかと思います。
 自分ががんであるほうが、心の整理がしやすい。再発や転移という恐れはがんには
つきもので、「がん」という病気の怖さは、再発と転移という心配が絶えないことです。
そういう恐怖と戦うのは本人が一番つらいのですが、自分のことで苦しむことの方が
楽ではないかと、がん患者である私は思っています。
 伴侶が、がんだとわかった時、私自身がどんなに苦しくなるかと想像したとき、やはり
がん患者が私自身であったことにホッとします。
 言い換えれば、妻は私のがんのために、人知れず・・というか陰で支え続ける苦労を
たくさん背負っていたということでしょう。
 今日の「がんサロン」で、家族は患者をどう支えるべきかという声が家族の方から
出されました。
 ある患者は「私の場合は伴侶に、私ががんだということを忘れていてほしい」と言い
ました。そうなのです、このような考え方は多くのがん患者から聞かされます。
 もちろん、がん患者になって間もなくの人は、「もっと心配してほしい」「もっと、労わって
ほしい」という声もあります。
 夫婦としての時間の問題や愛情の問題、がんの種類、がんの病期でも考え方は
変わってきます。
 さて、妻の場合は、さりげなく私を支えてくれています。これが私にとっては一番
心地よい。心配されすぎると、こちらが疲れてしまいますから。
 がん患者の家族へのサポートも大切な私のミッションだと思っています。
今日も、がんサロンから帰宅した途端に電話が鳴り響きました。
 以前にメンバーだった人で、3か月前に退会の葉書を受け取っていた人でした。
今年からメンバー以外の人からの相談は受付していないことも知っての上で、その方は
「勝手ばかり言ってすみません」と言いながら相談してきました。
家族としてご主人のがんを心配して、相談せずにはいられなかったとのことでした。
がんの場合は、家族もこうして悩み苦しむものなのです。
 がん遺族の方の一言を付け加えておきましょう。「私がもっと、がん知識があれば、
もっともっと妻をサポートできたのではないかと悔いております」と。