中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

第2の人生(11)

 政府から家を買ってもよろしいという許可が出て、正式契約をして1ヶ月後に
家の明け渡しが行われた。
 いよいよ、本格的な外国生活が始まる。1992年4月だった。
家具や電化製品を買いそろえるだけで一苦労である。
それらを売っている店を探し出すところから始まった。
日本の場合と違って、簡単ではなかった。
家具などは店舗が大きいので、シティーから少し離れた地域に集まっている。
電化製品は、すぐに配達してもらえるが、家具などは、日を置いて配達される
ので、入居はしてもベッドもない・・ということになる。
 家具、電化製品、台所用品などが一揃い整うまではモーテル住まいだった。
ようやく、入居した翌日、最初の朝を迎えた時の感激は今も忘れない。
 私は、これまでにも書いたが、あまり丈夫ではなかったので、5年間刻みの
計画の中で、精一杯に生きてきた。豪州移住を決めた時も、豪州で骨を埋める
ことになるだろうなと思っていた。だから、2000年のシドニーオリンピックまで
生きていられるだろうかと、思っていた。
 最初の朝、窓から見える風景・・目の前には広大な芝生の公園、その先に見える
インド洋を見た時、妻にこう言ったものだ。「これまで、長生きしたいと思ったことは
ほとんどない。ずっと大変な人生だったから。でも今、なるべく長生きしたいとはじめて
思ったよ」と。