中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

私流生き方(110)

(110)
二年目へ向けての願書受付
 
昭和六十年二月一日。改造が終わっていない新校舎で、二期生の
願書受付が始まりました。心配していた校舎も確保することがで
きました。その改修工事も、四月までに何とか間に合いそうでした。
その年の、「入学案内」に書いた私の「よびかけ」の言葉は、次の
ようなものでした。この文章は、現在も使っているものです。
よびかけ人生にはいろんな生き方があります。「これしかない」と
いう生き方はありません。それを「人生」といいます。あなたは、
どんな人生を送りますか。立派な人生はとは、人よりよい学校へ行き、
大きな会社に入り、人より先に出世することではありません。人より
多く金もうけすることでもありません。人より有名になることでも
ありません。どれだけ世のため人のためになることができるか、と
いうことです。自分だけがどんなに立派でも、人さまの役に立たない
人間では本当に立派とは言えません。社会に役立つ人となるとともに
、人を助け、励ますことのできる、勇ましくやさしい人となることが
りっぱなのです。
この学校は、四年間注-昭和六十三年からは、三年間に法改正され
ています学ぶことによって高校卒業資格が取得できます。その知識は、
あなたをすばらしく変身させ、あなたの人生を豊かなものにすること
でしょう。しかし、本当の知識を得るためではなく、点数稼ぎのため
の勉強は、あなたの身につかないばかりか、あなたの青春をムダに
してしまうことでしょう。
生きた勉強とは、ものごとを知るだけでなく、考える力をつけること
です。点数を上げることではなく、応用する力をつけることです。
今、学習が遅れていることをそんなに気にする必要はありません。
本校の卒業までに、考える力、応用する力を身につければ、社会に出
て活躍できるでしょう。君たちは確信を持って入学して下さい。
人生は旅です。新幹線に乗って早く旅をするより、鈍行に乗ってゆっ
くり旅をした方が、景色も美しいし、人の情けもよく分かります。
急ぐことだけが旅ではないように、急ぐことだけが人生ではありま
せん。ゆっくり旅をしながら「本当の自分」に出会い、「本当の自
分の人生」について考えましょう。人より遅くすぐれた才能を発揮
することを「大器晩成」といいます。あなたも、そうかもしれません。
うか、人生のいい旅を心がけてください。
願書受付には、初日から五十名の出願があり、順調さを裏付けてい
ました。この一年間の努力がどのように評価されるだろうかと不安
でしたが、出足がよく、無事に推移しそうな様子にまずは、ほっと
したものです。