中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

TPPと農業の関係

 TPPと言うと直ぐに農業が取り上げられるので、TPPが誤解されている
かもしれない。
確かにTPPによって日本の農業が壊滅的なものになる可能性が大きい。
先に、わたしのHPに書いたものを読んでおいてほしいと書いたが、
おそらく読んで下さった方は少ないと思われる。
 日本における農産物の生産高は少なくなる一方であり、国際競争力
から言うと足元にも及ばないのは火を見るより明らかである。
 果物など、特に日本の技術が高いものには競争力が残っているが、
さりとて安い外国産に太刀打ちできるか否かは分からない。
豪州で14年間生活してきた実体験から考えても、日本の果物は美味しいが
高価すぎて買えないからだ。
自給率が下がっても、どんどん外国から輸入すればよいと考える人が多い。
 食料を輸入した分、工業製品の輸出を増やせばよいと単純に考える人も
少なくない。
 間違えないでほしいのは、農産物とは食料だけではなく、その多くは
飼料であることだ。トウモロコシ、大豆、小麦などの多くは飼料にもなる。
 先に、戦前から(と言うより大昔からの)糞尿の使われ方、始末のされ方に
付いて触れたが、今では「有機栽培」などともてはやされているが、昔は
全部が有機農法であったわけだ。化学肥料が使われ始めて農地が疲弊し
農薬が使われ始め、虫もいなくなったが自然から遠いものになって行った。
 戦前は食料はほぼ100%の自給率だった。それは国民のほとんどが
コメや麦を食べていたからに他ならない。
 米を食べるというが、現在のような白いご飯を食べられるようになったのは
比較的最近である。白いご飯が当たり前・・と思っている世代の人は、本当の
食料事情に疎い人だと思う。
 しかし、今では政治家、官僚を含め、その世代の人たちが政権を握り、
施策を決めているわけであり、TPPの流れを見ていても、歴史から学んで
いないなと思ってしまう。
 わたしのHPhttp://www.tnakahara.com/のJANEWSの中の「本と寄り添い
ながら」の中に「世界を見る・考える」と題して、歴史から学ぶことの大切さを
10数年前から書いてきたが、歴史とは過ぎ去ったことであり、役に立たないと
考えることは大きな間違いである。歴史からまばなないで、なにから学ぶことが
出来るだろう。
 ヒントばかり書かないで、もう少し分かりやすく書いてくれと言う人のために、
一つだけ書いておこう。これだって、深い予備知識がなければ誤解されかね
ないので書きたくないのだけれど・・・。
 世界の中の大手農産物輸出国はどこなのでしょうか。知っていますか?
アメリカ、オーストラリア、フランス(フランスは農業国なのです)ドイツなど・・ですが。 農産物輸出国は、自国民が飢えていても外国に輸出すると思いますか?
その答えはノーですね。自国民が飢えているのに輸出するはずがありません。
近年の地球温暖化二酸化炭素犯人説には反対ですが、温暖化は進んでいます)
によって、地球のあらゆる国において気象異常現象が起こっています。
異常気象(干ばつ・洪水など)によって農産物が不作になると、輸出出来なく
なります。そのようなことが分かると、食料を自給しないで輸入に頼ろうという
考え方は大きな間違いだと気が付くでしょう。関税が撤廃になって外国の農産物
が安く買える・・と喜んでばかりではおれないのです。
 この続きは、また明日。