中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

菅首相はバカ殿さまなのか

 最近の新聞テレビの報道を見る限り、わが国の首相ほど「馬鹿」呼ばわり
されている人は世界でもまれだろうと思う。
 本当に、それほどのバカなのか? 私は決して菅さんをひいきしたり
かばったりしはしないが、あまりのブーイングのひどさに呆れかえっている。
 3・11における大地震、大津波原発事故というとてつもない災難に襲われた
国はこれまで世界のどこにもない。
 東京大震災の折にはああしたとか、こうしたとか言う論説があるが的を射て
いない。阪神淡路大震災を引き合いに出す人もいるが、災害だけなら復興、
復旧だけだから、問題が違う。
  言うならば、世界的に見ても「初めてのケース」だったわけである。そのような
時期に菅さんが首相だったと言うことが幸いだったのか不幸なのかは、今後
歴史的に評価されるだろうから、今は何とも言えない。
 しかし、もし他の誰かが首相だったとして、本当に適切に政治が行われたか
どうかを考えると、必ずしも「イエス」とは答えにくかろう。
 一番も問題は、原発事故だった。一度に4基もの原発が次々と水素爆発
していく中では、どの内閣であってもパニックになっていたのではないかと
思われる。アメリカのスリーマイル島原発事故は、時系列にくわしい報告
が出ているが、どれだけ内部も外部も動揺していたかが詳しく書かれている。
福島原発の場合は、スリーマイル島の10倍以上の規模の事故である。
 映像で見る津波の被害に加えて、時間を争う原発事故対策に、内閣が
パニックの中で、よくぞやってくれたと私は評価してあげたいと思っている。
 攻めるだけではなく、自分ならやれたのかどうかを考えてほしい。
今の自民党が政権を取っていたとして、上手く今回の事態に対処できたとは、
とても思えないからである。
 菅さんは、浜岡原発に待ったをかけ、玄海原発にも待ったをかけた。
なぜ、いまストレス検査なのかという批判が多いが、切羽詰まった段階で
菅さんが切った切り札だと思えば理解できる。
 原発再開は、まだ国民的総意を得ていない、時期尚早と考える方が
盛会だと、私は考えている。菅さんは「バカ殿さま」ではなく、馬鹿だと思わせて
いる「巧みな殿さま」ではないかとも思う。
 8月末引退までに、やるべきことを、一つでも多くしっかりやり遂げてほしい。