中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

放射線と「がん」との関係(6)

 なるべく分かりやすいように、しかし的外れにならないようにと
思いながら書いてきたが、なんだか難しい・・・と感じた人がいたかも
知れません。
 人間には、ものすごい数の細胞があり、その細胞にはDNAがあり、
DNAは、すべての細胞に同じものがあって、毎日どんどん分裂しながら
新しい細胞に生まれ変わっています。
 分裂を繰り返す時に、間違いが起こり得ます。2度3度と間違いを重ね
た細胞が、身体の中にいくつあるのかは、誰にもわかりません。
 しかし、何度も間違いを犯した細胞が、もう一度間違いを犯すと「がん」
が発生します。
何が原因で間違いをおかすのは、未だ分かっていません。
 いろんな原因説がありますが、すべて仮説です。これも書きましたね。
環境の中にある物質が原因の場合もあります。紫外線が原因の場合も
あります。食べ物が原因の場合もあります。
 DNAはタンパク質を作るための設計図だと言うことも書きましたね。
人間の病気のほとんどは、タンパク質が原因で起こっています。
多くの難病もタンパク質が原因のものがほとんどですし、がんもタンパク質
が原因です。
 DNAははしご状の2重らせんの形をしていますが、これが切断されて
設計図が書きかえられると、違ったタンパク質が生まれることになったり、
タンパク質が作られなくなったりします。
 放射線は、DNAに強い影響を与えてDNAをずたずたに切ってしまい
ます。何度もミスを犯した細胞が放射線の影響で大きなミスを犯すと、
「がん」になってしまいます。
 ところで、ここからが大切です。
「がん」になっても、すぐには大きくならないし、身体に変化も起こりません。
からだに変化が起こるのは、よほど強い放射線被曝があった場合のみです。
 「がん」が出来て、それが見つかるまでには10年も20年もかかります。
それが「がん」の特徴です。政府が「直ちには身体に影響はない」と言って
いるのは「将来に「がん」になるかもしれない」と言っているのと同じなのです。
 では、どれだけの被曝で影響を受けるのでしょうか。TV解説者や本などに
書いている先生方は、その立場でいろんな書き方をしています。
 分かりやすく言うと、年間に10ミリシーベルトでも、危ないのです。
ということは、福島第1原発から30キロ以内、北西側だと60キロ以内の
方は、それだけの被曝をする可能性があります。
 ここで言う被曝とは外部被ばくのことです。食べ物や空気(誰でも呼吸しま
すよね)から取り入れる内部被曝は、もっと少ない数字でも危険です。