中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

政治を深く読まないとだまされる(2)

このブログで、以前に菅さんは首相の器ではない、今やるべきことは
福島原発の現場で陣頭指揮を執ることだ、と書いた。
 
どうして菅さんは首相の器ではないのか。彼はある意味で
器が小さい。と言うことは大物政治家ではない。言い方を変えよう。
彼は大きな嘘が言えない。正直すぎると言うことだ。
彼は政治家になる前には、消費者問題に関わってきた人だ。
本来は、小さな部分で、国民の側に立って闘ってきた人である。
政治家になり、出世欲旺盛な性格がトップを目指して、それを
成し遂げたのだが、しょせんは真面目派であって、大嘘がつけない。
 
自民党の立場から考えよう。
菅さんのような人が首相では困ることばかりである。
端的な要素に絞って書く。
今回の福島原発の一連の処理では、東電に対して厳しい姿勢
で望んでいるし、菅さんにそれほどの落ち度があるとは思えない。
それよりも、東電側が菅さんの指示を無視したことが対策を
遅らせて事故に至ったと考えている。
 
ところが一旦事故が起こった後は、菅さんは責められてばかりである。
そして、東電にとって不利なことを平気で喋っている。
東電側は、今回の事故は、予期せぬ大災害が引き金なのだから、
免責事項に該当すると言って、今後の補償問題にある線引きを
したい意向を示したのに際し、菅さんは「これまで、様々な指摘を
専門家から受けていたのに、それをやって来なかったから、東電
には免責がなく、全額支払うべきだ」と述べた。
 
これは企業にとって大変な発言だ。日本中に原発は54基もある。
どれ一つとして、これまでに指摘された問題点を点検し、備えている
ところはない。外部電源が失われたら、どれほど大きな事故に
なるかは、今回の事故を受けて分かったはずなのに、当分の間は
改善される見込みはない。
企業と言うものは利益優先であって、安全優先ではないということが
この一点でも明らかだ。
 
東電だけではない。各電力会社は、菅さん発言で戦々恐々だ。
他の大企業だって、菅さんの言うような姿勢で経営には臨めない
と思っている。
自民党は、大企業に支えられている政党である。大企業の連中は
なんとか民主党を引きずり降ろさないと経営がし辛くてしかたが
ない。菅さんの言っていることは、社会党的発想だと考えている。
国民の側を向いてはいるが、経営者の側を向いていない、経営者の
敵だと考えている。
 
原発事故に対する補償問題では、菅さんは100%被災者側に
ついていると見るべきだろう。しかし、それでは経営者側は困る
のだ。大企業にとっては、一日でも早く自民党政権に戻ってもらわ
ないと困るのだ。
国会で、いろんなやり取りがある。
視点を、大企業の側に立っている自民党と言うようにして、質問や
答弁を聞いていると分かりやすい。