ロシア旅客機のシナイ半島での墜落を巡り、ISが犯行声明を
出し、エジプトやロシアが「その可能性はない」と否定した。
ところが今度は英国の外相が「ISによる爆弾テロ」の可能性を
イギリスとアメリカの首脳のこの発表を聞いて、私はぞっとした。
彼らの言うとおりに本当にテロかもしれないが、事実かどうかは別にして
ぞっとしたのは、第2次世界戦争当時の事実を思い出したからである。
あのころヨーロッパ戦線が拡大し英国は孤立化しそうだった。
充満していて大統領としては参戦に踏み切れないでいた。
結果的には、日本軍が真珠湾に闇討ち的な攻撃を加えたことで戦争が
始まった感に見えるが、実はそうではない。
私は、あの戦争に関してはかなり詳しく調査をしてJA・NEWS新聞に
連載したことがある。
日本軍が中国で行った野蛮な行為が、イギリスによって世界に広められ
たのが、そもそものきっかけだった。いわゆるプロパガンダ作戦に日本は
やられたようなものだ。
シリア難民の幼い子供の死体が海岸で見つかったという報道で、ドイツなど
ヨーロッパの国々は難民保護に乗り出さなければならなくなったが、あれも
プロパガンダである。
今回のロシア機墜落を、エジプト、ロシア、イギリス、アメリカなどが、何を
考え、どのように利用しようとしているのか、プロパガンダ作戦を見ながら
それらの国の狙いを考えてみるのも面白い。
救われないのは事故に遭った旅客だけなのだろうか。
そして、この問題は、永久に解決することはない、悲しい問題でもある。