中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

老人と昆虫

老人と昆虫

 散歩に出た。わが家を出るとそこは下り坂。第1腰椎圧迫骨折がまだ治りきっていないので下り坂は要注意なのだ。どうしても歩きがはやくなりやすく、腰への負担がかかる。どんどん坂を下ってしまうと帰りが登りになるので、大月橋の上を3度往復してから家に向かって登り始める。
 前にも書いたが、六甲山の中腹だけに緑がいっぱいで、鳥のさえずりも聞こえる。
下界の神戸の街並みや大阪湾沿岸の風景なども、お天気さえよければ絶景となる。
 大月橋のところで、前を行く老夫婦の姿が見えた。どうも私たちと同年配のように思えた。ご主人の方がときどき立ち止まるので私たちが追いつく形となった。どうしてたちどまるのかとみてみれば、昆虫を靴で踏みつぶしている。なにしろ緑に囲まれた場所だけにいくらでも昆虫がいる。今の時期には毛虫類がおおくなる。それを一つ一つ踏みつぶしていたのではキリがないと思えるが、かれは虫きらいなのだろうとおもう。
たぶん子供時代に虫と戯れた経験もないのだろうと思う。
私も妻も、いろんな子供時代には昆虫と遊んだ経験を持っているので、虫を毛嫌いはしない。昔はいろんな昆虫がいた。野原にはトンボや蝶、セミ、キリギリス、バッタ、カマキリ、ミミズ、コオロギ、スズムシ、蟻などがいた。水辺にはカエル、ヤモリにイモリ、アカハラ、水上を飛ぶように移動するみずすましもいた。蛭が足に吸い付いて血を吸われることもしばしばだったし、蜂に刺されることもあり、ムカデに刺されたこともある。子供のころには100種類を超える昆虫類が周囲にいたとおもう。
最近の子供は、虫と遊ぶという経験などほとんどないからだろうが、おおくの家庭で、蜘蛛やゴキブリを見かけると大騒ぎになるようだ。スズムシやコオロギを見てもゴキブリと間違うのではないだろうか。
昆虫も地球の仲間だから大切にしてあげようと教えることも大切なのだが。
オーストラリアの人々は、日本で大騒ぎをする赤い毒クモをみても殺さないで、そっと除けるだけだった。子供の時から、昆虫や動物などへの接し方の教えが日本とはずいぶんと違っていた。
 そういう私たちも、この虫だけは許せないというものがある。春秋にベランダにやってくるカメムシだ。洗濯物を取り入れるときに用心しないと肌着の中に入っていてひどいことになりかねない。マンションの役員会でも話題になった。ある人が、ゴルフに行った。一日中臭くて仕方がない。周囲の人たちにも迷惑をかけている。老人性悪臭かとからかわれもしたようだ。ゴルフシューズの裏を点検してみたが、動物のフンなどを踏みつけた形跡はなかったが、プレー後に入浴する際に原因が分かったというのだ。
靴下の中にカメムシの死骸があったという。だから、カメムシだけは、見つけ次第、ガムテープに包んで捨てることにしている。