神戸のファッションとは関係はないが、最近では専門店でもデパートでも
「カットソー」と書かれた商品が多くなっている。
「カットソー」って何?と聞いても、正しくこたえられる店員はほとんどいない。
いないはずなのだ。知識がないのだから答えられるわけがない。
お客さんの側でも、別に考えもしないで受け入れているから、それはそれなりに
いいのだろうかと・・ちょっと不思議な感じがしないでもない。
カットソーとは、正式には「カット アンド ソー」のことである。
本来はニット製品に限って使われていたのに、最近では何でもありの表示に
なっているようにも見受けられる。
ちょっと高級なセーターとかカーディガンをお持ちなら、取り出してきて、じっくり
見てほしい。アームホール(袖周り)のところが「目減らし」されながら編まれている
ことに気がついいただろうか?
袖ぐりを目減らししながら、形を整えて編む。袖のほうも同じように編む。
そのうえで、金串のようなものに一目ずつ刺していってピンキング作業を行って、
袖付けを完了する。
ニット生地を型紙に合わせて裁断し、ミシンで塗って仕上げたものを「カット&ソー」
というのだ。目減らし作業とか、ピンキング作業はとても手間がかかるだけに、売値も
高価になる。今では高級品にしか取り入れない手法でもある。(昔は安いものでも
こうして作っていた)
商品というものは、見る目のある人に評価されてこそ、作り甲斐がある。
なんでもよい、着れたらOKという時代になって、作る側はつまらなくなっていることだろう。
良いものは物は大切にしたいものである。