中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

能力(働く)の高いものは恵みを・・

 1昨日「労働者が余っている現象」を書きました。
少々分かりにくい書き方だったかもしれませんので、今日はもうすこし
踏み込んで書いてみましょう。
 僅かばかりの庭に植えこみをする作業に、8人がかりで二日もかかっていた
と書きましたが、実は3日もかかっていました。
 どうしてそれが不思議に思ったのかを書いてみましょう。
私はオーストラリアに14年間住んでいました。私の家だけではなく、どの家も
敷地が250坪から300坪もあるのですから、庭園も広いものです。
季節ごとに花の苗を植えかえますが、そのたびに花の苗だけで5万円も
必要になります。
 時々、庭の模様替えをしたくなり、その規模が自分でやれる範囲を超えて
いると思った時は、業者に依頼します。
 ということで、自分でもやりますし、業者の働きもみてきました。
その感覚で、目の前に展開されている作業をみてしまっている自分があります。
 8人の作業員は、相談したり、一つの花の苗を(ポット)持って、あっち、こっち
をうろうろして、植える場所を定めています。時間つぶし?かと思えるほど
作業量が少ない。
 この規模の庭ならば、豪州では二人で二日で終わってしまう作業量でしょう。
 外壁のブロック積みも、私がやってももっと早くできるだろうと思うぐらいに
遅かった。基礎ができ、鉄筋も立てていて、ただ積むだけの作業なのに、
おそい! 日本では、これでも生きていけるかもしれないが、、豪州では職人
として雇われることはないだろうなと感じたものだ。
 歩道に変形レンガが敷かれていて、建設工事のために外した部分にレンガを
埋め戻す作業などは、もっとひどかった。僅か1M X 6M というところに
レンガを埋め戻すのだが、レンガは波型になっている。時間にして2,3時間で
できるだろうとみていたが、なんと2日間もかかってしまった。その上、雑なやり
方なので、最後は幅が合わないのではないかとみていたが案の定、最後の
1列の幅が合わずにカッターで切り落としていた。外したところを戻すだけなのに、
この程度の仕事しかできない。
 こんな作業を毎日みていて感じたことは、かつて世界に誇っていた、日本人の
勤勉さ、作業能力などが失われてしまったのではないかと言うことだった。
 豪州人には、怠けものが多い。働かないで失業保険をもらっている連中が
いっぱいいる。しかし、技能者として働いている人たちの能力は、かなりの
ものだ。1日の作業量は、日本人の3倍以上になるような気がする。
朝から夜まで、一生懸命、しっかり働く。今の日本にはもう見られないの
だろうか。 このような些細なことを見ていても、日本と言う国は、すでに
凋落への道を歩んでいるように思えてならない。そう言えば、豪州の場合、
ほとんどが請負仕事になっていて、早くきれいに仕上げれば、どんどん仕事
がきて暮らしも裕福になる仕組みだった。労働者が、大きなモーターボートや
ヨットを持っているのは、なにも珍しいことではない。
 日本も、頑張った人に、もっと恵が与えられるような仕組みを考えないと
いけないのではないだろうか。
 先日も書いたが、神の手をもつ外科医も、やぶ外科医も医療点数がおなじ、
収入が同じと言うのはおかしい。能力の優れた人には、それなりの評価を
与えたいものだ。