福島第1原発では、1号機から4号機まで、今も毎日大量の
水を注入して冷却に務めています。しかし、1号機から3号機
までは、底に穴があいている状態ですから、どんどん汚染水が
漏れて溜まっています。
そのままでは、本格的な冷却のための工事が出来ません。
汚染水をなんとかしなければなりません。そこで、汚染水を
入れるためのタンクをどんどん作っています。その内の一部が
トレーラーに載せられて福島原発まで運ばれています。
現在溜まっている高度汚染水は約11万トン。タンクが来たから
といって、急ピッチでタンクに移送出来るものではありません。
なるべく急いで移送している内に、次のタンクも出来上り運ばれて
来ると言う繰り返しが続きます。
フランスから持ってきて組み立てている、汚染水浄化装置が、どこ
まで有効に作用するのかが分かっていませんから、頼りになるのは
タンクのみです。
福島第1原発の敷地内には、このようなタンクがずらっと並ぶことに
なりますが、これらタンク内の放射線は直ぐにはなくなりませんから、
敷地内には汚染水タンクが増える一方になることでしょう。
これらのいたちごっこが、いつまで繰り返されるのか。目に見えない
敵と戦っているのですから、これほど恐ろしいことはありません。
このように、外部での作業しか進みませんから、内部での大切な
作業がいつになったら始まるのか予測もつきません。
したがって作業工程表通りには進まないと言うことです。
東電は、3月12日の事故以来、重大なことはほとんど発表しないか、
何か月遅れかの発表となっています。秘密主義、隠し体質は変わって
いません。
別の項目にくわしく書きますが、すでに多くの住民が被曝し、今後
20年もの間に多くの「がん患者」が生まれる可能性は大です。
放射線被曝の影響は、何十年も経ってから現れるから厄介なのです。