中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

放射線被ばくとがん発生

これまでにも書いてきましたが、放射線被ばくが怖いのは、がん発生
と関連があるからです。
放射線は目に見えないものですから、必要以上に恐怖心があります。
それを見越して効きもしないサプリメントや、いかがわしいものを売りつける
放射線関連サギ」も横行しています。知らないから騙されるのです。
 
 放射線を被曝して問題となるのは「がん」の発生です。
政府などは「直ちに問題は起こらない」と言っていますが、直ちに起こらない
と言うことは、いずれは起こると言うことの裏返しです。だから、被曝しても
怖くないと言うのことはありません。
 
 では、どれぐらい被曝すれば怖いのかという目安を知っておくとよいでしょう。
新聞やテレビで専門家がいろんな説明をしてくれますが、説明にばらつきが
あって、どれが本当か分からないのも不安を書きたてているようです。
 その点、文藝春秋6月号は分かりやすく書かれていますので、ぜひ参考
にして下さい。テレビや新聞によく登場する東大の中川恵一先生の説明には
誤りがあると指摘しているのは、慶応大学の近藤誠先生です。
 私は近藤さんの説明が正しいと思います。中川先生は安倍さんが首相
当時のがん政策のブレーンでした。何かと「お上寄り」の立場でものを言います。
近藤さんは「がんなと闘うな」を書いて慶応での出世の道をあきらめた人です。
おのずと視線も違いますし、今回の原発事故のような政府がらみの場合は、
微妙な違いが現れます。
 しかし、結果的には中川さんの計算ミスで、中川さんの方ががんの発生率を
高くしているようです。ここでは近藤さんの主張を取り入れて、簡単に分かりやすく
数値だけを書いておきましょう。
 
 断ってぽきますが、一般住民はそれほど恐れることはありません。現場で
働いている作業員が心配なのです。
 線量計を身につけていて正確に 被曝量を計れたとして。
1000ミリシーベルト被曝の場合・・・がん発生率は29%増える。
100ミリシーベルトの場合・・・・・・・・がんの発生率は2・9%増える。
10ミリシーベルトの場合・・・・・・・・・がんの発生率は0・3増える。
 
 現在は、1ミリシーベルトも被ばくする心配のない地域まで、一律に
避難しています。政府はもっと、放射線の分布図をしっかり作り、
これまでも主張してきたように、50歳以上の人は自宅に住めるように
すべきだと思っています。
 しかし、幼児、子供は40歳以上の方の4、5倍もの影響を受けますから
原発から遠く離れて暮らすことをお勧めします。
 
 近藤さんは、胸部CTの場合、一般に言われているよりも多く、最低で
10ミリシーベルト、造影CTの場合は20ミリシーベルト被曝していると
言います。腹部、骨盤CTの場合は最低で20ミリシーベルト、造影CTで
40ミリシーベルト、全身CTの場合は60ミリシーベルトを超えるようです。
 ですから、福島原発で見えない放射線に脅えるより、日ごろのレントゲン
やCT、PET被曝を恐れる方がよいのではないだろうか。