中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

原発の電力原価は安いのか

毎日新聞朝日新聞は、今後の原発政策の見直しをすべきだと
社説に書いている。
それに対して、読売新聞と産経新聞は、安易に見直すべきではないと
している。
みなさんなら、どうしますか。
 
月間文藝春秋5月号で東京新聞編集委員・村串栄一氏は、原発の電力
コストと他の電力コストを比較しているので引用したい。
電力1キロワットのコストは
原発の場合・・・・・・5・3円
水力の場合・・・・・・11・9円
石油火力の場合・・10・7円
NLG火力の場合・・・6・2円
石炭火力の場合・・・5・7円
これを観れば、原発のコストが一番安いことになっている・・・・が、これは
真っ赤なウソである。
村串氏も分かった上で、電力会社が公表している数字を上げているのだろうが、
誤解を招きかねない。
 
原発のばあい、もっとも注意しなければならないのは、使った燃料を、どこに
どのようにして始末するのかさえ決まっていないことだ。
原発を作るにあたって、最終処理を全く考慮に入れずに推進して行ったという
ことである。はっきり言っておくが、現在もなお、最終処分については決まって
いないのだ。
原発で使った燃料は、炭のようになくなってしまうものではない。
使った後も、いつまでも放射線を出し続ける厄介な代物なのだ。
最終処理の仕方を間違えば、後代まで禍根をのこそことになる、とんでもない
代物なのだ。
 
最終処理までにどれほどの費用がかかるか、未だ誰も正しい計算さえできない
現状である。だから、1キロワット当たりのコストが5・3円などと言うことは
あり得ない。おそらく1キロ当たりのコストは20円をはるかに超えるだろうと
予測される。
その上に、今回のような事故を起こして賠償ともなれば、そのコストは膨大な
ものになる。
原発は最も高いコストを要するものだと、早くから指摘されていた。
分かる人には分かっていたものであって、もし、いまさら東電が驚いていると
したら、それは恐ろしい誤算だと言える。
 
今後も原発を推進し続けようと考える新聞社は、誰から金をもらっているのか。
今後は、その辺りを解き明かしていきたい。