中原武志のブログ

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完全収束に100年(福島第1原発事故)

これまで、チェルノブイリ原発事故の例として、すでに25年が経過しているが、
完全収束までには今後50年はかかるだろうと書いてきた。
 
世界的に最高の評価を得ている、英国の科学誌「ネイチャー」は、日本の
福島第1原発の場合は、完全収束までに今後100年間かかるだろうという
記事を掲載した。
 
この前に、人間の病気に例えて書いたが、人間の病気の場合は、近づける
こともできるし、レントゲンやCTスキャン、MRIなどで体内を調べることも
できる。
しかし、原発が事故を起こした場合は、周辺に高濃度の放射線があり、
近づくこともできないし、もちろん原子炉の内部を見ることも不可能だ。
原子炉内部だけでなく、各種配管などの検査もできないから、放射線汚染水が
どこから出ているのかも、推測の域を出ない。
今のところは、高濃度汚染水が溜まっているために計器などがある室内にさえ
入れないから、計器から詳しいデーターを取ることもできない。
 
チェルノブイリの場合は「石棺」方式というやり方で、とにかく抑え込んだ。
原子炉の周りに鉄骨を組みあげ、その中にコンクリートを流し込んで原子炉
をコンクリートの塊としてしまったのだ。
それでも、収束までに75年間はかかるとされている。
 
福島第1原発の場合、石棺方式はとらないと言っているが、やるとしても
4基もあるだけに簡単ではない。
ああだ、こうだと抑え込む方法を考えている間にも放射線汚染は拡大している。
日本だけの問題ではなく、世界の問題でもあるのだ。