中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

大地震と原発事故の共通点

今回の大地震を専門家たちは予測できなかった。
予想されていたのはもっと小さな範囲の地震であり、30年内に何%とかと言う
あいまいなものだった。
東北から関東にかけて6つのブロックに、それぞれ地震の発生があるとは
予想していたが、これら6つが連動することなど想定外だったようだ。
 
このことは、地震学なるものが、未だまだ研究段階であって、予測までできるほど
ではないと言うことである。
その理由は分かっている。
なぜならば、プレートが潜り込むある部分を海底調査のカメラがとらえたことはあっても
その全体像など誰も見たことがない。
 
あの世があると言う。すばらしい天国もあると言う。
よほどいいところなのだろう、未だ誰ひとり帰って来た人がいない。
そうだ、だれもあの世を見た人はいないのだ。
話しが飛び過ぎの感もあるが、地球内のことは科学者でさえ想像にすぎない。
こうだろう・・・という推論はできていて、ほぼ予測通りに、予測された地点で地震
発生しているから、仮説としては正しいし、地震の原因となる要素も正しいことは
間違いなさそうだ。
しかし、そこまでであって、それ以上ではない。
 
原子力を兵器としてではなく平和利用しようとして考え出されたのが原発である。
原子爆弾の威力や怖さはすでに良く知られている。それをどのようにすれば安全に
利用できるかと言うことが課題であった。
ウラン燃料を融合させて熱を発生させ、水蒸気発電に持って行くと言うことは簡単だが、
燃料をどのようにコントロールできるかが難しい。しかし、研究者たちは、その難題も
克服して原子炉を作り上げた。
 
原子炉に問題が発生するとすれば、どういうことが起こり得るのかが議論されている。
いろんな議論が尽くされる中で、地震津波で外部電源の喪失、予備電源の喪失も
課題として上がっていたのだ。
津波の規模も課題だった。そのような安全に関する課題に対して、どのように備えるかが
問題だが、「どこかで割り切らないと、金がいくらあっても足りん」と言う企業論理が優先
された結果が今回の事故を招いた。
金惜しみをしたために、備えの何倍かの賠償金が必要となった。
 
さて、問題は、巨大地震との共通点である。
それはただ一つ、現在起こっている原発内の諸問題が「見えない」と言うこと。
海底深く精査出来ないように、強度の放射線が出ている原子炉内部を精査出来ない
と言う点である。一言で言うなら、分からない・誰もが経験したことがない。
見たこともない、だから予測できない、解決できない、手探りでやるしかない。
 
しかし、原発は人間が作ったものだ。作りも巨大ではない。抑え込むことは可能な
はずである。しかし、それまでにどれだけの放射線が我が国を覆うだろう。
神の分野にまで踏み込んだ原発と言う人工物は、大きな罰を受けているのだろうか。
巨大ビルなども、いつか大きな罰を受けるかもしれない。
人間は、ほどほどに生きることが大切だと教えられているような気がする。