私のところにも、関東に電力協力するために節電に協力して下さいとメールが届いた。
なるほどと思ったが、これは違った。
四国、九州はいずれも60サイクルなので、そう簡単に関東への電力支援が出来ないのだ。
サイクル変換はさほど簡単ではなく、今回のような場合にはとても間に合わない。
実は以前から、このような非常事態に備えて、サイクル変換施設を充実させたいと言う意見が
出ていたが、大型サイクル変換施設を作る費用が膨大なので、関東に発電所を作る方が
得策だと言う意見が通ってサイクル変換施設を見送ったと言う経緯がある。
今のままでは電力が不足すると言うことで、東京電力は計画的停電をすることを決め実施した。
しかし、この停電によって交通機関がマヒし、通勤の足を奪われた形になった人たちは、
なおさらのように混乱した。
電力不足をカバーしたいと言うことは理解できるが、交通機関を混乱させては、日本経済にも
大きな支障となるに違いない。もっと有効な方法はなかったのだろうか。
「想定外」のものだったからだと言うことも理解できる。
今回の原発事故は納得できない。
日本の原発は世界一安全な設計になっているとこれまで説明されてきた。
送れなくなったためだと説明されている。地震によって停電となり、冷却水が送る装置が作動
しなくなった。このような非常の際には、自動的に自家発電装置が稼働してその役割を果たす
はずだったが、自家発電装置全部が作動しなかったので、燃料棒を冷やせず、冷却水は
蒸発し、燃料棒がむき出しとなり、水素が発生して酸素と融合して「水素爆発」に至ったという。
一番の問題は、自家発電装置が動かなかったことだとすれば、想定が甘かったと
言えるのではないか。
万一に備えて備えられている装置が作動しないと言うことは、想定の基準の低さによるものでは
ないかと思う。
どんなに原子炉を頑丈にしていても、それを取り巻く様々な装置が貧弱では事故につながる。
(「赤い盾」の著者として著名)の警告をいまさらのように思い出す。
今回の事故は、起こるべくして起こったように思えるのだ。
今回の事故で、日本の原発建設は当分の間は、国民の多くの賛成を得られなくなるだろう。
中国は、今後ものすごい勢いで原発建設をやるそうだ。
もし、中国で原発事故が発生したなら、風下にある日本は大きな被害を受けるに違いない。
風には国境がない。黄砂だけでも迷惑だが、放射線物質が降り注ぐと大変なことになる。
電力不足を考えていると、いろんなことを想像してしまうのだ。