中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

宗教の話し(3)

欧米で「無宗教」と記入すると奇妙な目で見られると書いたら、あなたの宗教は何ですか、という
質問をいただいたので、もう一度宗教について書いてみよう。
 
キリスト教国(国全体の中でキリスト教信者が多い国と言う意味で)は、北米の国の全部、南米の
国の全部、アフリカ諸国の地図で言うと下半分、ヨーロッパでは、旧ソ連圏、スカンジナビア諸国、
西ヨーロッパ諸国がそうだと言える。アジアではフィリピンぐらいだと思う。オセアニアでは豪州、
ニュージランドは該当する。
全世界にキリスト教信者は22億人とされているが、これは洗礼を受けた数字であって、熱心な
信者数を表すものではない。
 
アメリカはプロテスタントが盛んであり、ケネディカソリック出身の初めての大統領であった。
英国はプロテスタントと言うことになっているが、ちょっと事情が違う。英国はもともとカトリック
国だった。16世紀のヘンリー8世国王の夫婦仲が悪く離婚しようとしたが、ローマ法王庁が許さない。
そこで、カトリックを離れて聖公会(アングリカンチャーチ)を作りだしたと言う経緯がある。
しかし、これが時間を経て産業革命が起こるのだから、宗教の持つ力は大きい。
 
カトリックは、神と信者の間に神父さんが入る。神父さんを通して神と交わるのだ。安物ドラマでは
プロテスタント教会に「ざんげ室」が出てくるが、あれは真っ赤なウソである。懺悔室で神父に話しかける
のはカトリックなどの旧教だけであって、新教のプロテスタント教会にはない。
英国は、プロテスタントになったことから、信者は神と直接に向かい合うことになった。そこに「自立」
が生まれ、自立の中から産業革命が生まれてきたのだ。この辺りのことは、説明していると長くなるので、
各自で勉強してもらいたい。
 
外国で暮らしてみてわかることは、熱心な信者と言うのはそんなに多くはない。しかし、子供のころから
そのような環境で育っているだけに、多くの人々の中に流れていることは確かである。だからこそ、
クリスマスなどに大騒ぎする若者は少なく、ひっそりとクリスマスを家族と共に祝っているのだ。
ここで、ちょっと日本のことに触れておこう。
統計では・・・信じられないことだが、神道1億、仏教9千万となっている。数字が合わないのは、
合体で祭っている家が多いからだろう。でも・・この数字はどう考えたらいいのだろうか。
言い換えると、欧米諸国のキリスト教信者数も、その様なものだと思えばよいのだ。
だったら、欧米諸外国で「あなたの信仰は?」と問われたら、堂々と「神道です」とか「仏教です」と
答えればよい。
 
さて、私の場合である。
17歳で洗礼を受けたのでクリスチャンと言える。だが26歳から一度も教会には行っていないので
クリスチャンとしての役目を果たしていない。ただ、脈々と聖書に書かれた教えが体の中を流れていて、
それが私を多くのボランティア事業に駆り立てていることも確かだ。しかし、仏教のことにも詳しいし、
仏教の教えもからだの中を流れている。神道のこともよく知っている。
欧米で「あなたの信仰は」と尋ねられた時には「クリスチャン」と書いてきた。
でも、自分の中ではそうと言いきれない部分がある。宗教を知りすぎたからでもある。
だが、私なりに確固とした哲学を持っているので、揺るぎはしない。