中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

「医療崩壊とは」を考える(4)

(3)では「自由標榜」を地で行っている医師のことを書いた。
皆さんの身近の開業医をよ~~く観察してほしい。

医院、クリニックなど言い方はさまざまだが、看板に書かれている診療科目に
注目していただきたい。
「内科」「放射線科」ぐらいならまだ良心的である。本当は、これでもおかしい。
放射線科は簡単に標榜してもらっては困るのである。レントゲン機器を置いて、
直ぐにレントゲンをパチパチと撮られては、放射線被曝量が大きくなり、がんになる
可能性が増える。
放射線の場合は、放射線技師、放射線治療医、放射線診断医などに分かれる。
診断医は放射線治療は出来ない。その上、画像診断と言うのも高度な知識と経験が
必要であり、若くて開業医になった医師がレントゲン機器があるからと言って
放射線科を標榜してほしくない。

自由標榜ができるので、診療科目を一杯並べて書いている医院もある。
では、それらの治療が全部出来るのかと言うと、お客さんがほしいための看板に
他ならないと断言してもおしかりを受けることはないだろう。
医師になるまでの経緯を見ると、そんなに多くの診療科目を習得できるはずが
ないからである。

こうして書き連ねると、日本の医師たちはけしからんと思われる方もおられようが、
本音を言うと医師たちが行けないのではなくて、一番責められるべきは日本政府なのである。
厚労省文科省が医師養成、医療行政を行っているのだが、そのいずれにも大きな問題
点がある。
医療崩壊の一番の原因は政府にあると断言できる。

欧米がなんでも優れているというわけではなく、日本の方が優れている場合も多い。
しかし、医師を育てる、医師のレベルを確保するという点ではもっと欧米に学ぶべきだと
思っている。

国家試験を受けるまでの厳しい在り方、医師資格を取得してからの更新制度の導入や、
信頼できる専門医制度の確立、家庭医(かかりつけ医)の育成などを厳しくすることで、
患者の信頼を受けることができるのではないか。
もちろん、それらには保健制度の見直しなども含まれてくるだろう。
これから、機会あるごとに「頼りない医師」の話を書くことにするが、これらは
決して医療崩壊を煽るものではなく、現実を見つめ直し、みんなで不良医師を排除し
安心できる医療が受けられるようにしたいからである。