東京医科大学で女性受験者には減点を、男性受験者には優遇点を
付けて合否判定していたことが問題となっている。
そしてまた三浪の受験生にも減点で合否判定の参考にしていたようだ。
男女にプラスとマイナスと言うのは世界的的視野からも賛成はできない。
しかし、三浪に厳しいというのは・・なるほど・・と納得できるものがある。
でも、本当にそうなのなら「三浪には厳しい」ことを明確にしておくべきでは
ないだろうか・・とも思う。
以前に何度も書いたので少々気にしながら書いているが、日本の医科
大学の評価は世界的には高いとは言えない。
日本で医者になるためには高校を卒業後に最難関である大学医学部か
医科大学を受験し合格しなければならない。入試に合格するだけでも厳しい
道のりだと言われる。
そして6年間の医学部教育を受けてでは卒業と同時期に行われる国家資格
を合格しなければならない。そのために学習量は他の学部の場合と比較して
かなりハードなものになる。のんびり遊んで大学生活を楽しんでいる他学部の
生徒他たちが羨ましく感じられると医学生はぼやいているが、それも将来の
地位と収入を思って耐え忍んでいるのだという。
無事に医学部を卒業し、国家資格を取得した後に数年間研修医として働き、
ようやく晴れて医師と呼ばれるよおうになる。「先生」の誕生だ。
前にも書いたように、豪州滞在中に日本の医師5人から「豪州で医師をしたい」
「豪州で開業したいが、できるかどうか」という問い合わせをもらった。 私が西豪州の
日本クラブ会長(その後、全豪州の会長になったが)だった当時のことだった。そういう
ことがあってから、日本の医学部と西欧諸国の医学部を比較してみるようになった。
豪州では、高校から大学医学部に進める。ところが入学して僅か1週間でウサギの
解体を経験し、3か月後には死体置き場のプールから死体を引き上げてきて、解体
作業をする。それも午前中の授業で行われるので昼食が食べられないという。
1学期が終わると医学部新入生の2割がいなくなり、1年を終える頃には半数が医学部
から消えてしまうとぴう。6年まで在籍するのは僅か20%ほどの学生だという。
6年間の学業を終えてからが本当の苦行になるらしい。特に専門医を目指す学生は
猛烈な勉学ののちに甘い果実を摘むことが出来る。
日本の場合は、入学した生徒は、ほとんど卒業するというから、その違いは大きいだ。
アメリカの医学ぶ入学はもっとハードなのだ。アメリカの医学部へ高校卒業では
入れません。まず4年制大学の理学部を卒業してから医学部に入ることになるの
です。 そういう意味では、医学部は大学院の様な位置づけだと考えると分かり
やすい。
日本では20歳代の後半で医師として働けるのに対して、アメリカでは30歳代
半ばでようやく目的に到達するのです。 豪州の場合もやはり30歳代半ばという
のが普通です。
話が難しくなっていきましたが・・ですから・・三浪で受験点数があまり芳しくない
生徒が、減点の対象になっても、それは仕方のないことかもしれない。
医師は命に係わる仕事なのですから、やはり優秀でなくてはならないでしょう。
しかし、優秀なだけで、人の心が分からないような医師が多くなりつつある現状の
医学教育にも問題があるのかもしれません。 受験生以上に大学側・・の・・教える
側の教授たちにも問題があるのではと・・私は思っています。