中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

ちょっと厄介な問題を取り上げる

 靖国神社は何かと問題になることが多い。取り上げ方によっては右派の人たちが
騒ぐし中国などの外国が問題視することも多いので慎重になってしまう。
 中国などが文句を言うのは大東亜戦争(第2次世界大戦)のA級戦犯も合祀されて
いるという1点にある。
 今日は、その問題ではなく、もっと根本的な問題について触れたいと思う。
そもそも・・靖国神社というのはどういう目的で建てられたのか・・と言うことから始まる。
明治維新戊辰戦争で死亡した「官軍」の兵士たちの慰霊のために1869年に作ら
れたのであるが・・だれが「官軍」かという問題が今も争われている。徳川軍や会津軍は
賊軍とされているから祭られていないし、西南戦争で政府軍と戦って死亡した西郷隆盛
合祀されてはいない。
 今年のNHK大河ドラマの主人公でもある西郷隆盛は官軍にいれてもらえていないと
考えると何かが見えてくるでしょう。
 ところが現在の宮司さんは徳川幕府15代将軍の慶喜の曾孫にあたる徳川康久氏だと
言うことで、話がややこしくなる。現宮司さんはことあるごとに「あちら側」「こちら側」とか
維新時の敵対関係を表現するが、もちろん徳川側からみてのあちらであり、こちらである。
 「こちら」である徳川軍の人たちが祭られていないことに不満一杯なのだ。そこで宮司さんの
持つ歴史観に対してさまざまな波紋が広がっていた。徳川宮司歴史観にそって、幕府軍
会津軍、西南戦争で亡くなった遺族から合祀の申し入れが相次いでいて大きな波紋となって
いたが、 このたび、徳川宮司が任期を残して退任する意向を関係者に伝えたという。これで
幕引きとなるのか、新たな論争が起こるのか。