中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

国民皆保険はすぐれものかどうか(2)

日本の国民皆保険制度について書いている。
国民のだれもが、等しく医療を受けられる国はそう多くはない。
アメリカのように、金がないと医療が受けられない国も多い。
 日本の場合、ほとんどの病院に誰でも行ける。もちろん紹介状が
ないと受け付けてくれない病院もあるにはあるが、多くの病院は、
いつでも、だれでも・・というおおらかな国である。そんな国はほとんどない。
 医療費だって安い。3割負担は決して大きな額ではない。大手術を
受けても高額医療費制度を使えば自己負担は大幅に軽減される仕組み
になっているのもありがたい。
 病人にとって、日本ほどありがたい国は他にはないだろうと思う。
しかし、それが裏目に出ているケースも見受けられる。その一つは、
大病院に誰でもいつでも行きすぎるという点である。西欧諸国なら、
かかりつけ医の紹介がなくては診察さえ受けられない病院に、比較的
症状の軽い患者が押し掛けて、本当に治療を必要としている人たちの
邪魔立てをしているからだ。
 保険制度は素晴らしいが、医師制度には不備が見られる。何よりも
専門医制度が確立されていない点である。そのために、医師制度と
保険制度の間には微妙な問題が生まれる。
 世界的権威とか、神の手と言われる外科医が手術しても、やぶ外科医が
手術しても医療点数が同じになっている。専門医を目指す医師たちにとって
やりがいのない制度であることは確かだ。
 先日の「がんサロン」で、どうのようにすればよい医者を見つけることが
できるだろうかを話題に取り上げてみた。
 大新聞社などから出ている、その手の本は信頼できるのかと言えばノー
だと思う。多くのい人たちの噂を信頼できるかと言えば、主観で言っている
ケースが多いだろうから、やはりノーだろう。
 建物が立派な病院が信頼できるか、大病院と言われるところは信用
できるか・・・いずれもノーという話になった。
 ある診療科目に人気のある病院が、ほかの診療科目も信頼がおけるか
と言うと、そうでもない。
 患者側にとって、何を根拠に信頼して医者を選べばよいのかわからない
のが現実である。世界的権威の心臓外科医の東京ハートセンター長の
南淵明宏ドクターは「手術時に起こった問題で訴訟が起こるケースもあるが、
過失はそんな病院を選んだ患者側にもある」とおっしゃっている。(文藝春秋
4月号)
 全くその通りだと私は思う。私はいつも、日本の患者はアホだと言い続けて
いるが、患者はもっと賢くならないといけないと思う。
 医者を信頼するのは良いが、なにもかも医者にゆだねて「お任せ」する
のは単なるアホ馬鹿なのだ。このような患者が多いのは、国民皆保険
故ではないかとも思う。諸外国では、もっともっと患者が自分の体について
よく勉強していないと、命を失いかねない現実がある。
普段から良く勉強して、医師選びも上手になる。無駄な医療費を払わない。
 日本の医療費は、無茶苦茶多い。患者側の不勉強さが医療費増大に拍車を
掛けているといってよい。医師の更新制度がないから不勉強な医師も多い。
 同じ「医師」と言う肩書を持っていても、その知識には大きな隔たりがある
ことを患者たちは知っておくべきだと思う。