中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

国民皆保険はすぐれものかどうか(1)

 私が懇意にさせていただいている、尼崎の長尾クリニックの院長のブログは
とても人気がある。そのブログに書かれた記事が、そのまま本にもなっていて
好評を博しているという。
 そのブログの中に、このたび「日本の医療制度は世界一」という文章を書かれて
いるので、私もお追従で医療制度について書いてみようと思う。
 
 私が、西欧諸国の健康保険制度に詳しいというわけではないが、カナダ1年、
豪州14年の生活で、一般の方よりは外国の健康保険について知っているほう
だと自任している。そのような国々と比べても日本の国民皆保険制度は、すぐれ
ものなのだ。
 2005年に豪州から日本に引き揚げた時に、何よりも強く感じたことは
「国によって守られている」という実感だった。外国生活をした経験のない人には
理解できないかもしれないが、豪州のような比較的治安が良くて、ものが豊富で
物価が安定していて、医療水準が高く、保険制度がしっかりしている国であっても、
所詮外国は外国であって、自国ではない。
 豪州の国籍を持てば、メディケア(国民健康保険)をもらえるが、何十年住ん
でも国籍がなければもらえない。その代り、日本にはない制度があって保険
会社の保険に入ることができる。2003年ごろから急に値上がりして夫婦で
50万円ほど掛け金がいるが、手術、入院代金などは全額(どんなに高くても)
支払ってくれる。日常の医療費も半分以上負担してくれることになっている。
 メディケアを持っている人たちは、このような保険に格安(一人年間3万円ほど)
では入れる仕組みになっている。
 メディケアを持っている人が、どうして民間保険に入るのかと言えば、公的病院
への入院や手術には待ち時間がかなりかかるという事情もある。
民間保険に入っておけば、比較的早く入院・手術を受けることができるし、著名な
医師を指名することもできる。また、病室の広さは日本では考えられないほど
広く、トイレ・シャワーもついているが、すべて保険で賄われる。このような点は、
日本より優れている。
 日本より優れているという点では、すべての国民が、国民年金を受給になった
場合、日本では「特養」に入るが、待ち時間が長くなかなか入れない。待ち時間が
長くてなかなか入れないところは、豪州も同じだ。しかし、その施設(ナーシング・
ホーム)はすぐれもので、特養とはレベルが違うように思う。
 何よりも、すぐれた制度だと思うのは、ナーシング・ホームにかかりつけ医が
来てくれることであり、入院費は年金から支払われて個人負担は起こらない。
年金の20%は入院者に小遣いとして渡される仕組みになっている。
 皆保険制度から話はそれてしまったが、老後のためのリタイアメント・ビレッジ
や、ナーシングホームといったものは、日本よりはるかに社会制度が整って
いる。長尾ドクターにも「一度豪州のナーシングホーム見学に行きませんか」と
お誘いしているが、ご多忙でその時間は取れないだろうと推察している。
 私の手元に、ナーシングホームの写真がたくさんあるので、掲載したいのだが、
そのすべを知らないので残念だ。
 (続く)