中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

原発本体・周辺設計の粗末さ

日々明らかになってくる原発事故の内容を見ていると、関係者・
専門家たちの「診断」の甘さが見えてくる。
的確な診断をしていれば、最悪の事態は避けられたはずだった。
救急車で病院に担ぎ込まれた患者を見る場合にも、症状によって
医師の見立てはいくつにも分かられる場合がある。その時の対応に
誤りがあれば取り返しうの付かないことになる。
 
原発事故の場合、3月11日の大地震で「配管などに重大なダメージが
ある」と予測し、重視していれば以後の対応が違ったものになって
いただろう。「私人による配管へのダメージはない」と過信してとすれば
対応があくれ、症状がどんどん悪くなり、追っかけ対応となって冷静さを
失ってしまうことになる。
 
4号機の爆発は、3号機から水素が4号機に配管を伝って流れた結果
の爆発だったと発表した。そんなことも事前にチェックできなかったのかと
思ってしまう。原子の設計なんて、意外とずさんに出来ているようだ。
一人の身体だけではなく、国を滅ぼしかねない原子炉のばあい、あらゆる
ことを想定して設計がなされなければならないのではないか。
配管も、あらゆることに対応可能な工夫が要るのではないか。
今回、運転停止した浜岡原発でも配管のヒビが原因で海水が400トン
混入したという。
 
配管は本体との接合部分に破損が起こりやすい。特に地震では破損が
考えられる。アメリカでは本体と管の間にショックアブソーバーを付けて
地震などの揺れに対応させている。
3号機と4号機との間に配管での繋がりがあるとすれば、それらは
いつでも流れを切断したり、つないだりできるような工夫を施しておくのが
普通ではないだろうか。どうも、そんな知恵もなかったようであり、そんな
事故を予測できていなかったようでもある。
 
危機に備えると言うことは、様々な知恵が要る。原子炉だけにどんなに
詳しい知識を持っていても、それらの知恵は出てこない。以前にアメリカの
NASAの例に書いたことと同じだが、専門家以外の人を充てることで、
これらの知恵が導入できる。
原発は安全」と国民に信じ込ませたいために、避難訓練もしなかった。
欧米ではやっているし、万一に備えてヨウ素も家庭に置くようにしていた。
安全神話を、専門家自身が信じてしまったのか、不完全なものを少しでも
確実にするために、不可能を可能にするための努力が「原発本体及び
周辺設計」にはないようだ。だから、どんどん事故が複雑になってくるのだ。