中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

大怪我治療とがん治療と、震災と原発事故

原発事故の収束作業を見守っていて感じることがある。
かなり飛躍した考え方だと言うことをお断りした上で敢えて書く。
病気でも、外科的に切ってしまえば、あとは時間と共に治癒して行く。
 
地震と大津波で東北はとてつもない被害を被った。
1000年に一度とか500年に一度とか言われるほどの大災害である。
例えは悪いが、とんでもない事故に遭遇して、大けがを負ったと同じ
だと考えてみよう。あとは、日を追って直っていく、力もみなぎってくる。
日々復興へ向けて力強く立ち直って行ける。
医者が怪我の治療をするように、政府が復興への手助けをすれば
立ち直ることが出来る。
 
原発事故の場合はどうか。
これはがん治療と似ていると言っては言い過ぎだろうか。
がん治療と言うのは、実のところ今の医学ではよく分かっていない。
手探り治療をしているのが実情だ。
体内にあるがんが、そこだけに収まっているのか、すでに転移して
いるのか定かに分からない。転移があれば5年以内には出てくる
でしょうと言うのが5年生存率の根拠だ。
もちろんわかりやすい「がん」もある。しかし、ほとんどは「がん」を把握
出来ていないのが現状だ。だから、医師は手探り状態で、あれをやって
みましょう、これをやってみましょう・・という治療になる。
 
原発事故も、今回のような場合は「世界初」のために、さっぱり事情を
把握できていないようだ。これまでの作業の進め方は、すべて対症療
法的なたりかたをしている。見えない・分からないからだ。
以前に『見えないがキーワード』と書いたことがあるが、いまも同じ状態
が続いている。
がんの場合も、転移さえしなければ治るようになっている。転移があれば
治ることはない。それぞれのがんによって寿命が違ってくるけだ。
原発事故の場合、メルトダウンは、がんの転移がかなり深刻になっている
状態と同じだと考えても差し支えないのではないか。病期でいうなら4期で
ある。
がん細胞もも見えない。(X線、CTなどで見えるようになるには約1センチの
大きさになり、約1億個のがん細胞になって初めて検査で発見される)
放射線も見えない。原発のどこがどうなっているのかさえ把握できない。
原発が電力補給のために必要だと言う考え方を根本的に変えないと
日本と言う国は滅びてしまうだろう。