中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

原発本の読み方考え方(2)

(1)に書いたように、今回の事件が起こるまでは、原発関連に興味を持って
読んでみようと紐解いても、「反対運動の本か」と思って最後まで読まなかった
人が多いのではないだろうか。
「がん本の読み方考え方」にも書いたように、読み手の気に食わぬ言葉が
出てきた瞬間に、読む気をなくす人が多いようだ。
 
せっかく手に取った本なのに、じっくり読まずに「早とちり」をする人は多い。
がんの場合もそうだが、ほとんどの人は何も知らない。そして、たまたま
出会った本に書いてあることを信じてしまうこともある。
 
原発本の場合、原発推進を唱える人が書いたものは「絶対安全」を高々と
唄い上げているものだ。何がどうして安全なのかを詳しく書いてある。
例えばこんなことが書いてあったとする。
「万一、何らかの事故があったとしても、二重三重の安全が保証さfれている。
建屋は2メートルものコンクリート壁になっているが、壁が2メートルもあるのは
我が国の建造物では一番分厚く最強である」
 もし、こんな文章を読めば、誰もが安全を信じてしまうだろう。もちろん
現在では信じる人は一人もいないに違いない。2メートルもある、最強の
分厚いコンクリート建屋が、あれほど無残にも飛び散ってしまったのだから。
 
事故が起こる前に、「水素爆発が考えられる」「建屋は爆発の際には何の
役にも立たない」と記されていても、誰も信じなかったのではないだろうか。
何を言いたいのかというと、読み手が謙虚になって書き手の言い分をしっかり
聞く耳を持たないと、真実は分からない。
反対本を書く人たちは、かなり辛い立場に立たされただろうし、推進を書いて
来た人たちは、原発側から多くの資金を得てきたはずである。
原発と金の関係は今後検証してほしいが、早くも「法律的に免責」を求める
声も出ているので、これも闇に葬られることになるだろう。
 
実は、絶対安全という「神話」は遠く昔に崩れ去っていたのである。
スリーマイル島の事故、チェルノブイリの事故という二つの大きな事故が起きた
ことで、神話ではなくなっていた。その上に、わが国でも様々な事故があった
のに、隠してきたのだ。事故を隠して3年間経つと、責任から逃れられるので
必死に隠して来たようだのだ。それでも事故が判明したこともある。
それなのに、・・・ああそれなのに・・それでも「安全神話」を信じようとした国民は
お人好しなのかバカなのか。
多くの著書が、10年以上も前から今回の事故を予測していたではないか。
津波予測だってすでにあったのに、信じなかった。